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病名とどう付き合うか

 前回は、心療内科・精神科をどう探すかについて書きました。今日はその続きとして、「診断名・病名」とどう付き合っていくかについてお話ししたいと思います。

 全ての心療内科や精神科で、初診時に病名を告げられるとは限りませんが、見立てを聞くことはできると思います。診断名を言い渡された場合、私たちはどうすればいいのでしょうか。

 一例として私自身の話をすると、私はこの17年でいくつもの異なった診断を下されてきました。パニック障害だ、境界性人格障害だ、いやいや解離性障害だ、うつ病だ、と、専門家の意見が割れ、戸惑ったのも事実です。

 例えば、ある人が「うつ病」と診断されたとしますよね。
 もちろん、自分自身がうつ病について知識を深めるのは『ある程度』大切です。「こういう症状があるのか」、「こういう時はこうすればいいのか」といった傾向と対策を知ることによって、家族や周りの人に「こういう時はこういう風にサポート・ケアして欲しい」と知らせることができます。

 しかし、「僕・私はうつ病なんだ」、「僕・私はうつ病だから○○なんだ」という自己暗示、思い込みには注意しなければなりません。
 あなたは、「病気だからこう」以前に、まずあなた自身があり、病気・病名はそれに「作用するもの」で、「あなた=病名」ではありません。

 特に私のように「病名のデパート」状態になってしまうと、あくまで状態のカテゴリーである病名に振り回されて、「自分自身」を見失ってしまいます。
 また、「長年○○病だと言われ自分でもそう思っていたけど、実は××病だった(もしくは、併発していた)」というケースも、少なからずあります。「○○病である僕・私」に過度に依存し、自己同一性を預けてしまうと、こういった場合の戸惑いはかなり大きくなります(経験者談)。

 ですから、診断名・病名は、あくまでもあなたを構成する要素のひとつであり、全てではないことは留意しておくべきだと、私は考えます。むろん、「病気が原因でこういう傾向がある」といった影響はありますが、それでもやはり、それがあなたの全部ではないのです。

 まあ、だからといって自分の症状(診断名)に100%無関心というのも、「病識」の観点から言うと、ちょっと大変だったりします。
 次回はその辺りの話ができたらいいなと思います。ご拝読ありがとうございました。

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