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発達検査とイソップの犬

今日は、発達相談会。

発達相談会では通常、発達検査をする。
0歳児から使用できるこの検査には、
こんな質問項目がある。

(前回、発達検査を参考引用した記事↓)


「鏡に映った自分の顔に反応する」

「鏡を見て笑いかけたり話しかけたりする」

最初の質問は、生後5~6か月から、
2つ目の質問は、生後7~8か月からの
子どもにみられるとされる。

これ、実は、社会性の領域のなかの
対人関係を測る項目。

子どもの1人遊びの状況なのにそれはなぜか。

1歳未満の乳児は、
目や手や足など、
個々のパーツはわかるものの、
まとまった一つの全体としての
自己の理解はまだない。

5~6か月ごろの乳児は
動く顔を注視する。
8か月ごろの乳児は、
正面の顔を認識
するようになる。

ちょうどこの頃から
人見知りが始まると言われるのは、
見知った顔とそうでない顔との区別が
できるようになってきたから。

こうした段階を踏んで、
鏡に映った自分を自分自身だと
認識するようになってくるのが、
大体、2歳頃から
と言われる。

「自分」がわかれば、
他人と区別がつくことになる。

自分と他人との間に明確な境界線が引かれた
その時から、対人関係がスタートする、
というわけ。

それで今日、
思い出したのは
イソップ物語に出てくる「欲張りな犬」。
犬は、川の水面に映った
「別の犬」が持つ肉が欲しくて威嚇し、
自分がくわえていた肉を落とした。

欲張ると、元も子もなくす、
という教訓が込められた
日本でもおなじみの寓話だ。

ところで、
鏡に映った自分を認識することを
自己鏡映像認知という。
それは、鏡を使ったミラーテスト(マークテスト)で調べる。

人間以外で、このテストをクリアした動物は何か調べてみた。

なんと、
オランウータン、チンパンジー、ゾウ、
イルカ、シャチ、カササギ、イカ、一部の魚など。


ええ~⁇‼
(本当?!イカ??!魚??!)

意外な生き物(!)が認識できるのに、
犬はまだ、クリアしたことがないらしい。
(イカに負けてるんだ…)

あの時代に
ミラーテストなんかなかったけど、
イソップは知っていた。

あの話の主人公は、
動物なら、何でもいいわけではなかった。
たとえば、サルだったら、ゾウだったら
別の話になってしまう。

イソップは知っていた。

あのストーリーの主人公が犬なのは、
偶然ではなく、必然。
何となく犬、ではなく、訳あって犬。

と、腑に落ちたところで、
久々にイソップが読みたくなった。
かつては、
就寝前に読み聞かせる定番のアイテム。
短いのでおすすめ(๑˃̵ᴗ˂̵)
子どもも、お気に入りだったよ!

参考文献:「乳幼児心理学」山口真美 金沢創編、「自己鏡映像認知への温故知新」(2012) 草山太一・池田譲・入江尚子ほか







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