のびしろ丸/こども発達ナビゲーター

公認心理師。乳幼児健診ほか、年間百件超の発達相談に従事する政令市の発達心理相談員。相談…

のびしろ丸/こども発達ナビゲーター

公認心理師。乳幼児健診ほか、年間百件超の発達相談に従事する政令市の発達心理相談員。相談歴15年。ペアトレ講師としても活動。子どもの行動を謎解きする乳幼児発達コンテンツ発信中。一男一女の母。

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  • 公認心理師が教える!幼児健診の歩き方👣 1歳半健診編

    1歳半健診編の今シリーズは、 実際に幼児健診で使用されている問診票を取り上げて健診のなかでの発達がどうみられているかを解説。 発達年齢の目安になる子どもの行動も具体的に教えます。 年齢相応の育ちがわからない、この子の発達、大丈夫?幼児健診が近い、何を言われるのか不安…、気になる子が園にいるのだけど、どうやって関わったらいいの…などなど、保護者だけではなく、子どもの発達に関する職業に携わる専門職の方や、これから子どもの発達支援に関わりたい方にもおすすめ。 読めば納得、目からウロコの腹落ちする話を、年間百件超の発達相談を受ける現役ママ公認心理師がわかりやすく伝えます。

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【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#6「言葉の理解」

こんにちは! 幼児健診の歩き方ナビゲーターの のびしろ丸です。 今回、第6弾のテーマは、「言葉の理解」。 今シリーズの第4弾「言葉」では 1歳児の言葉とその表出、 「言える言葉」についてお伝えしました。 前々回の記事はこちら↓ 今回は、子どもが言われていること(指示)を、どのくらいキャッチしているかの理解度、 「わかる言葉」について話をしていきたいと思います。 ことばの氷山 子どもの言葉は、氷山にたとえられます。 表面に出ているのが、言える言葉。 その水面下にはわ

    • 【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/番外編#当日の注意点

      こんにちは! 幼児健診の歩き方ナビゲーターの のびしろ丸です。 今回は番外編として、健診の「当日の注意点」についてお送りします。 やはり「歩き方」と謳っているだけに 基本的な服装および持ち物などについても触れていなければ…という思いはあったものの、記事にするほどの内容かな…と二の足を踏んでおりました。 しかし。 来所されるママ(パパ)方が、ちょっとした行き違いとか、やりにくさを感じているのかなと思えるような場面を日々の健診の中で目にすると、事前に知っておいた方が安心かな

      • 【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編/#9人への関心

        こんにちは! 幼児健診の歩き方ナビゲーターの のびしろ丸です。 今回は、対人コミュニケーション力に深くかかわる「人への関心」について、健診でよく相談を受ける人見知りに絡めて話していきます。 健診で問われるのは 私が所属する政令市の健診の問診票では Q.周囲の人や子どもたちに関心を持ちますか という質問項目があります。 (回答は、はい、いいえから選択) 1歳半健診においては、対人面の発達を問う質問が、この「人への関心」です。 人に対する興味関心が、家族以外の人に向けて

        • 【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#8「遊び」

          こんにちは! 幼児健診の歩き方ナビゲーターの のびしろ丸です。 1歳半健診編8回目の今日のテーマは、私たち発達心理相談員が発達状況をみるうえで 最も重視する「遊び」についてご案内します。 子どもの遊びは、たくさんのことを私たちに教えてくれます。 「遊び」をみれば、子どもがわかる。 と言っても過言ではありません。 今回は少し範囲を広げて、乳児期から2歳頃までの遊びについても触れていきたいと思います。 どんな遊びをするか 自治体ごとに、幼児健診の問診票は様式が異なります。

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        【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#6「言葉の理解」

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        • 公認心理師が教える!幼児健診の歩き方👣 1歳半健診編
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          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#7「真似」

          こんにちは! 幼児健診の歩き方ナビゲーターの のびしろ丸です。 今回7回目のテーマは、「真似(まね)」。 子どもが様々なことを覚え身につけるのは、 身近な人の態度や動作を取り込む真似から始まると言われます。 1歳半健診では必ず問われる 「真似」=「模倣」。 その見方と留意点について、話をしていきましょう。 意図的か機械的か 私が所属する自治体の健診の問診票では Q.大人の真似をしますか という質問項目があります。 回答は、はい、いいえの選択式です。 問診の聞き取

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#7「真似」

          私の子育てを支える言葉

          先日のパパママ向けペアトレ講座にて。 子どもの癇癪の対処法とか、 色々と話をするのだが、 パパママ自身がイライラしたときには、 どうやって気持ちを切り替えているか、 その方法を聞いてみた。 「甘いものを食べる」 「コーヒーを飲む」 「好きな香りを嗅ぐ」 子どもをクールダウンさせるために 別室に連れて行き、戻ったその足で キッチンに直行→糖分補給完了、 と、流れが確立されている方も。 そう、子育ては、ハードワーク。 私の場合は、この言葉。  good enough

          幼児健診あるある②#偏食

          幼児健診には、 私のような心理職が従事する発達相談のほか、 栄養士さんが行う「栄養相談」がある。 どちらも希望制で、 両方受けることも可能。 「離乳食からの移行がスムーズにいかない」とか 「あまり噛まない」などの相談は、 栄養士さんのフィールド。 「座っていられない」とか 「自分から食べない」などの行動面の相談は、 心理職のフィールド。 …という棲み分けにはなっているけれど。 そうはっきり、くっきりと切り分けられないのが子どもの相談。 食事と発達の悩みで、1番シンク

          発達検査とイソップの犬

          今日は、発達相談会。 発達相談会では通常、発達検査をする。 0歳児から使用できるこの検査には、 こんな質問項目がある。 (前回、発達検査を参考引用した記事↓) 「鏡に映った自分の顔に反応する」 「鏡を見て笑いかけたり話しかけたりする」 最初の質問は、生後5~6か月から、 2つ目の質問は、生後7~8か月からの 子どもにみられるとされる。 これ、実は、社会性の領域のなかの 対人関係を測る項目。 子どもの1人遊びの状況なのにそれはなぜか。 1歳未満の乳児は、 目や手

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#5手の運動

          こんにちは。 幼児健診の歩き方、ナビゲーターののびしろ丸です。 第5弾の今回のテーマは、「手の運動」。 手の運動からみた、運動機能面と発達心理面の結びつきについて、話をしていきたいと思います。 手は突き出た(大)脳 と、言ったのは、 ドイツの哲学者カントですが、 その言葉が象徴するように、手の動きとこころのはたらきは、密接な関わりがあります。 1歳半健診では、 乳児期に歩行などの粗大運動が完成したあとの、微細運動(手の動き)の発達の確認をします。 コップとスプーン

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#5手の運動

          お母さんをいつも頑張っているあなたへ/「母力」とは?見える化で見つけられるもの

          母力とは? 今日のテーマは、 「母力(ははりょく)」。 これはちゃんとした専門用語ではない。 造語である。 健診後のカンファレンスや、 スタッフミーティングの場で、 時々私が使うワードだ。 ざっくり言うと、母としてのスキル、 パフォーマンスのこと。 世の中で、主に母親が担い、 担うことを期待されているもの。 その一口では語れない、 複雑かつ多面的なニュアンスを表現する 適当な言葉が見つからず、 「母力(ははりょく)…みたいなもの」と 苦し紛れに絞り出したものを便宜上、

          お母さんをいつも頑張っているあなたへ/「母力」とは?見える化で見つけられるもの

          幼児健診あるある①「アンパンマン効果」

          1歳半健診の会場入り口前で、入室渋って泣く子ども。 私の「あそこにアンパンマンいるよ」 に反応。 速攻泣き止み、壁に貼られたアンパンマンに吸い寄せられるようにすんなり入室。 そのあとを、ほっとした表情で追う母親。 幼児健診あるあるのいつもの光景。 私は密かに、これを「アンパンマン効果」と呼んでいる。 色々試したけど、他のものではここまで高い効果は得られない。 世代を超えて、子どもの強い味方、いや、親の味方か。 やっぱりあなたが最強です。 ありがとう!アンパンマン!!

          幼児健診あるある①「アンパンマン効果」

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える /幼児健診の歩き方/1歳半健診編 #4「言葉」

          「幼児健診の歩き方」へようこそ! ナビゲーターののびしろ丸です。 1歳半健診編の4回目、いよいよ後編です。 今回のテーマは、「言葉」です。 はじめに 言葉についての相談は、1歳半健診でも多くみられ、親御さんの関心が高い領域です。 ママ、パパ、じーじ、ねんね、 アンパン(マン)、ワンワン、バイバイ、 あっち、きた、ニャーニャー、カンカン、 はい、どうぞ、しまじろう、くさい、 おちゃ、もうちょっと、おいしい、 パン、ブーブー、チュンチュン、ちゃぷちゃぷ、バ(ナナ)…。 …

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える /幼児健診の歩き方/1歳半健診編 #4「言葉」

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#3「指差し」

          こんにちは! お待たせしました! 幼児健診の歩き方 1歳半健診編の第3弾です。 前々回が「呼名」、前回が「視線」と続いて、今回のテーマは「指差し」。 これら3つが1歳半健診の発達の目安の肝になる、3大ポイントと言えるでしょう。 とくに、今回お伝えする「指差し」は、言葉の発達を予測するものとして、健診の場では重要なポイントとみなされています。 (前々回の記事はこちら↓) (前回の記事はこちら↓) と、いうことで、いよいよ今日の本題の「指差し」です。 指差しはコミュニケ

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編#3「指差し」

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編 #2「視線」

          こんにちは。 前回、呼名についてお伝えしました。 (まだ読んでいない方は、こちらもどうぞ↓) 視線 1歳半健診では、 呼名と同じくらい重視されるのが、 今日お伝えする「視線」です。 「呼名・視線」、または「呼視(こし)」と、 並んで表記されることもあるように、 問診の場面で、同時に確認される大事なポイントです。 なぜ重要なの? 乳児が徐々に目が見えるようになったときに、 視線を介して外の世界とつながります。 まだ歩かない、話せない乳児は、 身近な大人を視線でとらえ

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方/1歳半健診編 #2「視線」

          #1母のリアルトーク「残りの1割に入りました」

          先日の1歳半健診にて。 発達相談が終わり、出口まで親子2人をお見送りしていたときに母がポツリ。 「クラスの9割は歩いているのに、残りの1割に入っちゃいました」 その母の主訴は、「歩かない」だった。 聞けば、ハイハイは1歳。 つかまり立ちと伝い歩きは1歳4か月。 そうして迎えた1歳半。 もうちょっと、あと少し、今日こそ、 明日にはきっと‥。 祈るような思いのうちに、とうとう今日という日が来てしまったのだろう。 母の、何とも形容し難い表情が、私の記憶を呼び覚ます。 小さめ

          #1母のリアルトーク「残りの1割に入りました」

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方 /1歳半健診編#1「呼名」

          はじめに 私の、親としての幼児健診デビューは、ほろ苦いものでした。 と、いうのも長女は当時、極度の人見知り。 新米ママだった私は、いかに泣かさずに終えられるか、そのことで頭がいっぱいでした。 しかし、最初は我慢していたものの、やがて時間切れが。 ついに、泣き始めた長女。 なぜこんなに泣くのか。 いつもこうなのか。 畳み掛けるように質問する保健師さん。 答えようとする私の声をかき消さんばかりに泣き叫ぶ長女。 その声はますますヒートアップしていき、私の脇汗は止まらず‥。 今で

          【新米パパママにおすすめ】公認心理師が教える/幼児健診の歩き方 /1歳半健診編#1「呼名」