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とらねーこー コーヒー (架空エッセイ)

いつもの古ぼけた喫茶店で
座る席はいつも決まっている。
 

先客がいたら、入り口の壁を少し引っ掻いて帰る。
 

運良く席に着けたら、
メニューのページをめくり倒して
ご注文は?と聞かれるのを上の空で待つ。

こーひー…
と、抑揚のないイントネーションでわざと言い
落ち着いた雰囲気の自分を演出する。

内心とてもわくわくしながら待っている。
 

熱々の湯気を立てたカップが運ばれてくると、
香りを 薫りを かほりを 
十分に存分に堪能する。
 
スチーム効果で
鼻のまわりがびしょびしょになってきたら
そろそろいいかなと、
ちろちろ舌先で舐めはじめる。
 
 

ま、まだ熱いではないか…!


おわり


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