見出し画像

2023.9.5 外国人から見た150年前の凄すぎた日本

名著でもある渡辺京二著『逝きし世の面影』は当初、1998年に福岡の葦書房という小さな出版社から発売されましたが、その後、何度も重版を繰り返し、合計18万部を突破した日本人に読み継がれている書籍です。

実際に、この本を読んだ人からは、
「江戸と明治の間に断絶を感じていた私のモヤモヤが全て吹き飛んだ」
「今の日本人が一番理解すべき感情が詰まっている」
と評価されています。

しかしながら、言い回しや漢字が堅いために自分で読み解くのは難しく、私たち現代人の多くには点の知識しか手に入らないのが非常に勿体ないと感じる書籍ですが、今回は、少しでも名著を知るきっかけになればという想いと、私たちが失いかけつつある日本人の心をテーマに書き綴っていこうと思います。


「日本は、これほど厳しい生活水準なんだな…、服装に表れている…」

サミュエル・ウィリアムズ(出典:Wikipedia)

ペリー艦隊の通訳として横浜を訪れたウィリアムズは、当時の日本の服装について、このような感想を抱きました。

彼と同様に、開国したばかりの江戸日本へ訪問した外国人は多数いますが、そのほとんどが彼と同じように、
「日本は古臭く貧乏で、人々の心も荒れ果てている」
というイメージを抱いて来日しました。

しかし、彼らが実際に日本に行ってみると、その悪いイメージはガラッと変わりました。

なぜなら、貧乏そうな身なりと裏腹に、江戸の人々は皆例外なく、笑顔で幸福に見えたからです。

ハインリヒ・シュリーマン

電設のトロイ遺跡を発見したドイツの考古学者シュリーマンは、
「日本は他のアジア諸国とは全く異なる、世界随一の幸せの国だった」
と言い、アメリカの動物学者モースは、
「日本人は皆親切で、よく笑うのが印象的だった。日本ほど子供が親切に扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない」
と。

エドワード・S・モース

更に、ドイツの医師ケンペルは、
「世界中の如何なる民族でも、礼儀と言いう点で日本人に勝るものは無い」
と言っています。

エンゲルベルト・ケンペル

このように、江戸日本を訪れた外国人たちは、日本よりはるかに発展した国から来ていたにもかかわらず、決まって日本と日本人を称賛していました。

しかし、私たちが教科書で習う江戸のイメージは、
<思い税収制度で国民は困窮していた>
<鎖国のせいで外国と比べて遅れていた>
<江戸の人は貧乏で心も荒れ果てていた>
というもの。

ではなぜ、外国人から見た日本人は、笑顔を絶やさず、幸福だったのでしょうか?
その答えは、彼らが遺した手記を読み解くと明らかになります…。

三人の外国人

ここから先は

3,731字 / 1画像

¥ 146

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?