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2022.12.18 プーチンの後を継ぐ大統領とは?

今回のウクライナ戦争が始まった頃に、私は同じことを記事にしました。

「プーチンがウクライナ侵攻を決断すれば、【戦略的敗北】は不可避である」。

『戦略的敗北』とは何でしょうか?
2014年3月、ロシアはクリミアをサクッと併合しました。

ほぼ無血でです。

これは、実に鮮やかな【戦術的勝利】でした。

結果、欧米日はロシアに経済制裁を科すことを決めます。

すると、何が起こったか?
経済が全然成長しなくなったのです。

2000年から2008年まで、つまりプーチンの1期目と2期目、ロシアは年平均7%の成長を続ける急成長国家でした。

ところが、クリミアを併合し、経済制裁を科された2014年から2020年まで、ロシアの成長率は、たったの0.38%。

これは【戦略的敗北】です。

クリミアを奪うという【戦術的勝利】が、経済成長ほぼゼロという【戦略的敗北】に繋がったのです。

プーチンは、この失敗から教訓を得るべきでした。

しかし、【戦術脳】のプーチンは、クリミア併合から8年後、またも同じ失敗を繰り返したのです。

だから私は、
“ロシアの【戦略的敗北】は不可避”と書き、事態は、その方向に向かっています。

『戦略的敗北』は、経済成長ができなくなったことに留まりません。

ロシアの国際的影響力が、破滅的に低下しています。

例えば、フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟を決意したこと。

ウクライナ侵攻前、この二つの豊かな国は、NATOに入る必要性を全然感じていませんでした。

しかし、ウクライナ戦争が始まり、
「やはりNATOに加盟しないと、クレイジーなプーチンがいつ攻めてくるか分かったもんじゃない」
となりました。

NATO拡大を阻止するためにウクライナを攻めたら、逆にNATOが拡大する結果になってしまいました。

もう一つは、ロシアを中心とする軍事同盟・集団安全保障条約(CSTO)が崩壊の危機に瀕しています。

CSTOにはロシア、アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの6ヶ国が加盟しています。

CSTOは、実質“ロシアが他加盟国の安全を保障する軍事同盟”といえるでしょう。

ところが、プーチンの“不義理”のせいで、CSTOは崩壊の危機に直面しています。

では、その“不義理”とは何か?

まず、加盟国アルメニアが2022年9月、ナゴルノカラバフを巡って、隣国アゼルバイジャンと戦争状態になりました。

アルメニアは、ロシア主導のCSTOに支援を求めますが、プーチンは助けませんでした。

また、同じ9月、CSTO加盟国のキルギスとタジキスタンが戦争状態になりました。

プーチンは、この紛争を放置しました。

このように、CSTOは全く機能不全な状態です。

こういった経緯から、アルメニアとカザフスタンは、“離脱する意思”を示し始めているのです。

このことは何を示しているのか?

ソ連崩壊後もロシアは、『旧ソ連の盟主』であり続けました。

プーチンは、バルト三国以外の旧ソ連圏を“勢力圏”と位置づけ、アメリカの介入を許しませんでした。

ところが、ウクライナに侵攻し、ロシアの国力が低下したことで、ウクライナやジョージアだけでなく、モルドバ、カザフスタン、アルメニア、キルギス、タジキスタンがロシア離れを加速させているのです。

プーチンは、旧ソ連圏であるウクライナを“逃がすまい”として戦争を開始しました。

ところが、その結果、他の旧ソ連諸国が、どんどんロシアから逃げ出しています。

ウクライナ侵攻で、ロシアは経済成長が全くできない国になりました。
旧ソ連諸国への影響力が大いに低下しました。

これが、【戦略的敗北】の意味です。

そろそろ“プーチン後”を考える時が来ているようです。
プーチンの後を継ぐのは誰なのでしょうか?

今、最も可能性が高いシナリオを、『nippon.com』で明かしています。
是非ご一読下さい。

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