2023.5.26 トランプがCNNで語ったこと
5月21日、7ヶ国の首脳が集まったG7広島サミットが幕を閉じました。
ウクライナのゼレンスキー大統領も現地で参加し、ウクライナの現状と支援の必要性を訴えたそうです。
まだまだ終わりの見えないウクライナ戦争ですが、今月10日、アメリカのニュース番組CNNで、
「私なら1日でウクライナ戦争を終わらせてみせる」
と大胆な発言をした人物がいました。
その人物とは、アメリカのトランプ前大統領です。
そんなことが本当にできるのか?
と思うかもしれませんが、彼は決して大口を叩いている訳ではありません。
今回は、トランプの発言にはどんな根拠があるのか?
この事について、少し書いていこうと思います。
反トランプ派のニュース番組に出演
5月10日、トランプ前大統領がCNNに登場しました。
司会者はケイトリン・コリンズ。
彼女は反トランプ派なので、トランプに攻撃的な質問を幾つもぶつけました。
基本的にCNNも反トランプの姿勢をとっています。
しかし、トランプが7年ぶりにCNNに出演し、70分にわたって放送されたということ自体が非常に大きなことだと思います。
もはやCNNも、トランプを出さないと視聴率が上がらないのでしょう。
そして、反トランプであるにもかかわらず、彼に言論の時間を与えざるを得なくなったということは、トランプ運動が力を持っている証です。
トランプが語るウクライナ戦争
この放送の中で、トランプは色々な政策について話しているのですが、私が一番面白いと思ったのはウクライナ戦争に関することです。
「自分が今、大統領ならば、1日でウクライナ戦争を終わらせてみせる」
トランプは、そう発言しました。
さらに、
「プーチンを戦争犯罪人として扱わない」
とも言ったのです。
確かにプーチンはウクライナ侵略をしましたが、これを戦争犯罪人として扱えば和平ができません。
まずは戦争を止めることが最優先だとして、プーチンを戦争犯罪人として扱わないと意見しました。
国際法の伝統的な解釈によれば、国家として戦争をするということ自体は犯罪ではありません。
しかし戦争中、一般市民を意図的に虐殺する等の罪を犯せば、戦争犯罪人ということになります。
ロシア側にその疑惑はありますが、ここでプーチンを戦争犯罪人と断定すれば、戦争は止められず、ロシアがますます激しく戦うことになってしまいます…。
だからそれはしない、ということだそうです。
これは面白い点です。
また、彼は、
「自分が大統領であったならば、そもそもウクライナの戦争は起きていない」
とも発言しました。
なぜなら、彼は、プーチンが非常にウクライナ東部に住むロシア人に拘っているということを認識しているからです。
この人たちはロシアとの国境に住んでおり、ウクライナ国籍ではありますが、文化的にも自分のアイデンティティとしても、ロシア人であると確信しています。
そういう人たちがウクライナ政府によって虐められている。
これを何とか救済しなければいけない。
それがプーチンの意図するところです。
このことに関しては、ある程度、ロシアがウクライナに介入する正当性もあるわけです。
トランプもこの問題をよく認識しています。
そして、ウクライナ側も、ウクライナに在住しているロシア人の人権自由の問題を保証してやらないと、永久に戦争の火種が残るということを解っています。
トランプのこの発言は、そういった問題を踏まえてのものだと思います。
最も望ましいウクライナ戦争の終わらせ方
トランプの発言の中で一番重要なのは、
「アメリカがヨーロッパ全体と比べて、8.5倍も軍事支援金を出しているのはおかしい」
ということです。
アメリカはウクライナ戦争が始まってから、1700億ドルもの支援金をウクライナに送っています。
しかし、ヨーロッパは全体として200億ドルしか支援をしていません。
ウクライナがロシアに占領されてしまえば、脅威を受けるのは東ヨーロッパの国々です。
だから、ヨーロッパが一生懸命ウクライナを支援するのは分かります。
しかし、はっきり言えば、ウクライナがロシアに占領されても、アメリカとしては自国の安全保障に全く関係がありません。
それにもかかわらずアメリカは、これだけの額を費やしています。
それは、どう考えてもおかしいとトランプは言ったのです。
上述したように、今回のトランプの発言の前提には、ウクライナ領に住んでいるロシア人の問題があります。
この問題解決について話せれば、ゼレンスキーとプーチンの両者共に納得するでしょう。
さらに、ウクライナ戦争に占めるアメリカの支援金は巨大ですから、本当に戦争を止めようと思うならアメリカの大統領が出向き、ゼレンスキーに対して、
「言うこと聞かなかったらお金も送らず兵器も売りませんよ」
と言えばいいわけです。
そうすればゼレンスキーも、これ以上戦争ができなくなります。
こういった影響力を駆使すれば両国痛み分けと言いますか、ウクライナもロシアも完全に勝利しないような形で停戦・休戦ができるだろうということです。
実現すれば、まさに朝鮮戦争型の和平休戦協定になるのだと思います。
これが世界にとって最も望ましい形ではないでしょうか。
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