#4. 風立ちぬを見た

風立ちぬを見た。最初の方、車窓の映像で、近くの木と遠くの山との動くスピードが異なっていた。異なっているのは現実世界でもそうなのだが、なぜだか少し気持ち悪かった。ジブリは、今までとは違う技術を使ったりしているのだろうか。

最初、朝起きる。飛行機に乗ると、雲の陰が落ちて暗くなっていた草原が、だんだんと隙間からの光で明るくなる。虹に気づくシーン、後ろを振り向くと虹がかかっていた。その奥には、黒い雲があった。そっか、黒い雲が過ぎ去っていった方に、虹ができるのか。実際もそうだったっけ。全てが綺麗なだけではない、ことを意味しているようだった。

じろうさんが、宿で彼女のテニスをする音に耳を傾けるシーン。畳の上に寝そべる。窓から風が入り、カーテンが舞い上がる。畳の上を風が滑る。テニスボールを叩く鈍い音。古びた木製のドアが閉まる音。祖父の家を思い出す。

ジブリで描かれる風景は、君の名はの監督の作品とは色が全く異なる。どちらも、実際にある空模様だ。監督の目にとまる風景が異なるのか、伝えたいものも異なりそうだ。ジブリの方が生っぽいというか(リアルではない)、人間味が空にもある感じがする。良い悪いという話ではなく。色のグラデーションがとても特徴的、ではない空も、細部に美しさを感じる。

私は、点で話すこと、またはものすごく抽象度高めで話すことはたぶん得意だが、みんなが話す感想みたいな風に話すことが苦手である。メタ認知が、得意になりたい。

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