信愛
半年、経った。
数日前のことだ。
長かったのか、短かったのか、よく分からない。
まだそれだけしか経っていないのかと、少し驚く。
もっと長い時間、一緒にいたような気がする。
関係が変わって、互いの呼び方が変わって、指輪が増えて(今は二本を重ね付けしている)、とにかく分かることは、彼女のことが本当に大好きで、愛しているということだ。
このリア充め!
以前の私ならそう思ったかもしれない。
大学時代から付き合っていた相手に裏切られ、ひどく傷つけられ、もう二度とひとりの人間を大切に想うことなんてない、そう思っていた。
その相手とのことをわざと笑い話にしながら、あいつマジ許さねえ、と言いながら、きっと私はこれから先、ずっとひとりで生きていくのだと、そう思っていた。
今もまだ、傷は癒えてはいない。
裏切られることを恐れ、奪われることを恐れて、その恐怖に怯えながら、それでも私は、彼女の手を取ることを決めた。
だから私よ、もっと自信を持って進め。
お前の彼女は、誠実で愛情深く、優しいひとだ。
お前が有りもしない裏切りや、誰とも分からない相手からの略奪の恐怖に怯えているときも、そんなことはない、私にはあなただけだと、愛情で包み込んでくれるではないか。
だから私よ、もっと自信を持って彼女を愛せよ。
お前が今、心の底から愛している彼女を、もっと愛せよ。
誰にも奪わせないほどの深い愛でもって、彼女を包み込むのだ。
ふたりの歩む道は、まだ始まったばかりだ。
ずっとこれからも、この先も。
果ての果てまでも、ふたり共に歩んでいけるように。
彼女を信じることだ。
彼女を愛することだ。
私を信じて愛してくれる、彼女を愛することだ。
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