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「下午のまち銭湯」 第六湯~秋葉原【RAKU SPA 1010 神田】

銭湯は昼下がりに行くに限る

秋葉原のビル銭湯

秋葉原。かつて電気の街としてその名を轟かせたこの街はやがてそこから派生した様々なサブカルチャーの街となり、やがてそのカルチャーが時代の流れとともにサブではなくなり、今は正真正銘の日本カルチャーの中心街となっている。

実はこの秋葉原に銭湯が存在する

総武線の改札を出てメイン通りの方へ行かずに線路沿いをお茶の水方面へと歩く。以前は一風変わった人たちが集まっている街って感じだったけど今はもう違う。特に感じるのは普通の学生というか若者特に女子の多さ。もうオタクの街なんかじゃない。こうやって銭湯目当てでここにきているぼくの方が断然変わり者だ。

な〜んて思っていたら。客引きのメイドさんにチラシをもらう。真っ昼間からメイドが生脚全開。それを誰も気に留めない。この辺りはやはり狂気じみた一面がまだまだある。

とまあそんな駅前を通り過ぎて線路の向こう側に行くとそこはもうだいぶ落ち着いている。オフィス街。

パッと見は完全にビジネスホテル。「ゆ」の看板が無ければだれもこんな所に銭湯があるなんて気づかない。なんでこんなにとこに銭湯があるのかと考えてみる。出張者やバックパッカー狙いというのもあるんだけど、一番はランナーズスパの側面が強いんじゃないかと思う。東京マラソン開始以降とくに皇居ランナー狙いのこういった銭湯はこの辺りに何軒か確認してる。

ビル中銭湯·····いやビル銭湯か。このビルの地下1階から4階が銭湯施設になってる。

RAKU SPA 1010 神田

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入口はガラス張りの自動ドア。すぐに無数の下駄箱が。キーにはICチップのダグがついていてこれを番台、、、というか受付に持って行くと入館の手続きをしてくれる。このICタグに金額の情報が記録されてそれを退館時に精算するしくみだ。コースは館内全施設利用できる「RAKU  SPAコース」、「サウナコース」「銭湯コース」とある。ぼくは銭湯コース。

料金を記録してもらって、そのままエレベーターに。フロアはB1Fから4Fまでの5フロア。銭湯のフロアは3F。エレベーターのフロア案内を見てみると、そこには極楽湯と書かれている。そうあのスーパー銭湯の「極楽湯」。ここまでのおおよそ普通の街銭湯とは全くかけ離れた受付の流れもスーパー銭湯のそれなんだ。そうなのだ。要するにここは銭湯料金で入れるスーパー銭湯ということなんだな。

ということで脱衣場に入るともうそこはスーパー銭湯まっしぐら。ロッカーもたくさんある。隣の人は管内着なんか着ちゃってる。いつものように持参したタオルをパサっとやって浴場に行くけど、そんなのもここじゃ少数派。みんな受付でレンタルしてきた同じタオル。入り口のところには普通に飲水機が置いてある。中に入る。

実はぼく、このRAKU  SPA 1010は初めてなんだけど、この銭湯は以前何回か来た事があるんだ。どういうことかというと、ここRAKU  SPAになる前も銭湯だったのだ。秋葉原という土地のビルにあるというそれだけでも大変珍しい銭湯だけど、それに加えて銭湯が撤退してまた銭湯になるっていうこれも今の時代かなりレアパターンだ。

で、中は浴槽の配置とか構造自体は以前のと基本同じ。ただ内装が綺麗になっている。正面に普通の銭湯だったら4分割くらいにするだろうでっかい浴槽が一つ。左に水風呂。右奥にアクリルの仕切りで簡易的な別室があってその中に日替わり風呂がある。入り口のすぐ左にはサウナがあってこれは銭湯コースの客は使えない。浴場の真中にでっかい柱があってその周りにベンチが設置されている。

前の運営会社も確かスーパー銭湯だったんで基本構造はスーパー銭湯の作り。銭湯感は全くない。ただ広さはそれほどなく、普通の街銭湯並み。サウナもそんなに大きくない。ビルの中なので天井も低い。たまに「まるでスーパー銭湯のような」という銭湯があるけど、ここは逆。銭湯のような規模の正真正銘のスーパー銭湯

カランの数は8つと少ない。でも一個一個隣と仕切られているし、各カランに石鹸類からゴミ箱まで設置されている。桶と椅子は事前に設置されている。アメニティ類もボディーソープに加え、リンスインシャンプーじゃなくてシャンプーとコンディショナーが別々に備え付けられてる。それに加え冷感式のボディーソープとシャンプーも別にある。各カランに合計5つの洗体剤が設置されているわけだ。そんな銭湯はない。なんせスーパー銭湯だからね。タオルは持ち歩いて移動。

主浴槽に入ってみる。うん、ぬるい。温度計を見ると37℃。で見ると炭酸風呂と書かれている。メイン風呂がぬる湯の炭酸風呂とか街銭湯じゃ普通ありえない。こんなぬるい温度じゃ神田住まいの生粋の江戸っ子たちは納得しないだろう。ぼくはスーパー銭湯にもよく行くけど、目的は主にサウナと炭酸風呂だ。でも炭酸風呂は大概混んでいて順番待ちをする羽目になる。でもここはおっきい浴槽だから気にせず入れる。お客さんは結構いっぱいいたけど、サウナ目的の人のが多そうだ。

水風呂に移動しようかと思ったけど、ぬる湯からだとあんまり気持ちよくないかなと思ったので、先に日替わり湯の方へ。日替わり風呂はちょっと小さい。四人で満員かな。白い入浴剤が入っている。温度は39℃。普通の入浴するならこっちかな。ふと窓の方を見るとアニメとこの銭湯のコラボ企画のイラストが貼ってある。この辺は秋葉原だなぁと感じる。

体も適度にあったまってきたので水風呂に移動。16℃。冷たい。サウナ仕様。水風呂に浸かりながら館内を見渡してみる。壁絵はないんだけど、窓ガラスに江戸時代のこの辺りの風景画が描かれている。それなりの風情みたいのはある。

最後にもう一度炭酸泉に入る。ランナー目線で見ると多分このぬるい温度でゆっくり入った方が筋肉がほぐれるんだろうな。

湯から上がって髪を乾かしにいく。ドライヤーの専用スペースがとられていて複数のドライヤーと椅子まで準備されている。おお凄いな!って思ったけどもよく考えたらスーパー銭湯なんだし当たり前か。当然無料。

他の銭湯と一線を画したスーパー銭湯としてのポテンシャル

湯から上がって館内を少し回ってみると二階は食事スペースになっていてレストランが入っているし、ほかにもマッサージだとか、ゆっくり座ったり仮眠できるスペースや、ビジネス向けにコワーキングスペースなんかもある。これはもう完全にスーパー銭湯の強みで、確かに新進気鋭の銭湯もいろいろやってはいるけど、それはやっぱ浴場と脱衣場だけなんだ。その他の設備も含め総合リラックス施設としては他の街銭湯を圧倒している。スーパー銭湯としては致命的に浴場狭いのだが、立地も含めてスーパー銭湯としても施設総合で見るとかなり満足度は高いのではないだろうか?

なので一応銭湯の料金(480)で街銭湯として利用できるんだけど、やはりおすすめはRAKU SPAコースにしてスーパー銭湯として利用するのが良いと思う。逆に銭湯だと思って利用しちゃうと周りのお客さんとの温度差で場違い感がかなりある。ふとぼくが感じたのはサウナ専用施設。あれが雰囲気的には一番近い。夜から朝までやってるし、終電のがした仕事人が駆け込む選択肢としてありだ。漫画も多数おいてあるので漫画喫茶として使うのも良い。

どうも極楽湯の中でもこのRAKU SPAというブランドはかなり実験的な位置づけのようでスーパー銭湯としても珍しい存在のよう。ましてや普通の銭湯としてみるとデザイナーズとも違うし孤高の存在だ。ぜひ行ってみて体験してみてほしい。

11:00からやってるからランチ前のひとっ風呂なんかもできるよ!昼銭湯できるよ!15:00まで待たなくていいよ!

だけど、窓から差し込む午後の日の光というあの昼下がりの銭湯感はぜんぜんないんだよなぁ(笑)まぁスパ銭だしそこは割り切ってね。

銭湯の詳細

「らくスパ1010神田」[所在地]千代田区神田淡路町[最寄り駅]JR中央線・総武線「秋葉原」電気街口より徒歩7分

[営業時間] 11:00~翌8:00[入浴料]480円(銭湯利用のみ)フェイスタオル、バスタオル、館内着のご利用料金込みのRAKU SPAコース(10時間)1,490円(税込)

[サウナ]サウナコース(3時間)910円(税込)[ドライヤー]無料

※備え付けシャンプー、ボディソープあります




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