さんだー。

24歳の男の子。wittleな言葉を。wittle = warm + little 「…

さんだー。

24歳の男の子。wittleな言葉を。wittle = warm + little 「ちょっぴり、暖かくする」

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【超短編小説】 合格最低点

「おれ、友達少なくてさ」と呑気に言えるほど、友達はいない。あれは、友達がいるやつの劣等感を武器にするためだけの言葉だ。こんな風に、りくは斜に構えて、世間を斜めから見る。 おれは、京都に生まれた。そして、京都で育った。父親の職業は内科医で、5年生のころに開業した。母は、おれを医者にするための日々を過ごした。たとえば、勉強のスケジュール作成や、宿題のチェック、テストの分析、各塾の評判集めのためのママ友の会への出席などで、それなりに多忙だった。 一方、おれは、おれは。 勉強が心

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      「ごめん、耳が聞こえずらくなった」 わからない。 「だから、昨日電話出れなかったんよ。ほんまにごめんな。お願いやねんけど、周りの子には言わんといてくれる?」 やっぱり、わからない。 ぼくの理解力が足りないのだろうか?いや、想像力なのか?いや、なにか情報や知識が足りていないのか?いや、そもそも”ごめん”ってなんだよ。悲しみでもなく、なぜか怒りだけが表層する。いやだ。 本当は分かっているんだ。 想像だにしていなかった”現実”を目の当たりにして、あたふたしているだけなのだ。

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        お金持ちの子どもは本当に“ゆたか”なのだろうか? 働く中でずっと考えていたのですが、それは本人が“選べた”かどうかにあるという結論にたどり着きました。 世の中にある仕事の数だけ、お父さんがいる。そう思うようになったのも、教育業界で仕事を始めてから。ぼくは、何百人もの子ども達を指導してきました。性格の穏やかな子、怒りっぽい子、色々な特性を持った子どもがいます。家庭環境も同様です。何百年もの歴史ある会社の経営者や開業医のお医者さん、弁護士、大手企業の役員など。そう、ぼくはいわ

        • いつだって、小さな勇気から始まる。

          上島珈琲に美人がいる。20代前半くらいだろうか、茶色のロングヘアーに、素朴な色白の顔、ジーパンにスニーカー。 この人に声をかけたら、LINEを開くことが楽しみになったり、仕事終わり飲み行ったり、なんて妄想を重ねている。 まぁ、そんなことはできない。笑(向こうさんもお友達といるし、この雰囲気でナンパは違うのだが) 好きな人に告白する、お洒落な居酒屋に行ってみる、常連のお客さんに話しかけてみる。 「日々、人間は選択してる。」という言葉は、小さな勇気を振り絞ることによって選択

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