見出し画像

【非認知能力を取り入れた教育と、ゆとり教育の違いは?】

「非認知能力」と「ゆとり教育」は、教育のアプローチに関連する異なる概念です。



今後、ますます注目されていく「非認知能力」に注目しながら、ゆとり教育との違いについて、説明していきますね。

  1. 非認知能力(Non-Cognitive Skills):

    • 定義: 数値等で評価できる認知能力以外の能力で、主に情緒的なスキルやソーシャルスキル、意欲などが含まれます。

    • : 協力性、自己管理、忍耐力、柔軟性、コミュニケーション能力、情緒的なインテリジェンスなど。

    • 教育への取り入れ: 学習環境の中で、非認知能力の発達を促進するためのアクティビティやプログラムが組み込まれる。これは生徒の全体的な発展や学習の効果を向上させることを目指しています。

  2. ゆとり教育:

    • 定義: 1990年代初頭に導入された日本の教育改革の一環で、学習内容や進学のプレッシャーを緩和し、学びの機会をより柔軟に提供することを目指した教育政策。

    • 主な特徴: 教育課程の簡素化、テストの削減、生徒への柔軟な進学サポート、アクティブ・ラーニングの導入などが挙げられます。

    • 目的: 生徒たちに学びを楽しむ機会を提供し、単なる知識の詰め込みから離れた学びを促進する。

非認知能力を取り入れた教育とゆとり教育は、いずれも学生の総合的な発展を重視していますが、焦点や手法が異なります。非認知能力は主に学習者の感情や社会的な側面に焦点を当て、ゆとり教育は学校全体のアプローチを変え、学生に対する適切なサポートと柔軟性を提供することを目指しています。

さらにわかりやすく具体的に説明していきますね。

非認知能力とゆとり教育は、学習者の発展に異なる観点からア

プローチする教育の概念です。

  1. 非認知能力:

    • 具体例:

      • 協力性: グループプロジェクトで他の生徒と協力する能力。

      • 自己管理: 課題の期限を守り、計画的に学習活動を進める能力。

      • 忍耐力: 難しい問題に取り組む中での忍耐や粘り強さ。

    • 取り入れ方法:

      • 教室内で協力的な活動やプロジェクトを増やす。

      • ストレス管理や時間管理のスキルを教えるプログラムを導入する。

      • 感情の表現や他者とのコミュニケーションを重視する。

  2. ゆとり教育:

    • 特徴:

      • 教育制度を緩和し、生徒に学習を楽しむ時間や機会を提供する。

      • テストの回数を減らし、学習内容をより深く理解できるようにする。

    • 具体的な取り組み:

      • 教育課程を簡素化して、生徒たちに余裕をもたせる。

      • テストの負担を減らし、生徒が試験に焦点を合わせることなく、自分のペースで学べるようにする。

      • アクティブ・ラーニングや実践的な活動を導入して、学びを体験的に進める。

これらのアプローチは、学習者に対して単なる知識の蓄積以上のスキルや態度を身につけさせ、より豊かな学習経験を提供することを目指しています。


アメリカでの非認知能力を取り入れた教育を、具体例を入れて、わかりやすく説明していきますね。

アメリカで非認知能力を取り入れた教育の例として、グリット(Grit)やソーシャル・エモーショナル・ラーニング(SEL)が挙げられます。

  1. グリット(Grit):

    • 定義: ペナルティスタン大学の心理学者、アンジェラ・ダックワース博士が提唱した概念で、長期的な目標に向かって継続して努力する力や忍耐力のことを指します。

    • 具体例:

      • 授業内プロジェクト: 生徒に長期的なプロジェクトに取り組ませ、途中での挫折や課題に対処するスキルを育む。

      • 目標設定とフィードバック: 生徒が自分の目標を設定し、達成に向けて計画を立てるプロセスを通じて、グリットを育む。

  2. ソーシャル・エモーショナル・ラーニング(SEL):

    • 定義: 生徒が感情を理解し、効果的にコミュニケーションし、人間関係を築くためのスキルを育むプログラム。CASEL(Collaborative for Academic, Social, and Emotional Learning)が提唱しています。

    • 具体例:

      • 感情教育の導入: 感情の認識、理解、そして適切な対応方法を学ぶプログラムを導入。

      • 協力的な活動: チームワークや協力的なプロジェクトを通じて、ソーシャルスキルを発展させる。

これらの取り組みは、生徒が純粋に学術的な能力だけでなく、自律性、忍耐力、感情管理、協力などの非認知能力を発展させるのに役立ちます。これにより、生徒は将来の仕事や社会で成功するための総合的なスキルセットを身につけることが期待されています。

アメリカでは様々な非認知能力を育むための教育プログラムが導入されています。いくつかの追加の例を挙げてみますね。

  1. キャリアリーダーシッププログラム:

    • 概要: 学生たちにリーダーシップ、協力、問題解決のスキルを養うプログラム。

    • 具体例: 学生が実際のビジネス環境で働く体験を提供し、プロジェクトをリードしたり、ビジネスの基本的なスキルを学ぶ機会を提供。

  2. アート・エデュケーション:

    • 概要: 芸術を通じて感性や創造性を育むことで、自己表現能力や問題解決スキルを向上させる。

    • 具体例: 美術、音楽、演劇などのアートプログラムを通して、生徒たちが自分のアイデンティティを見つけ、他者とのコミュニケーションを図る。

  3. アウトドア・エデュケーション:

    • 概要: 自然環境での活動を通じて、リーダーシップ、協力、自己管理などの非認知能力を育む。

    • 具体例: キャンプやアウトドアアクティビティを組み込んだプログラム。生徒たちは協力して課題をクリアし、自然と向き合う中で様々なスキルを身につける。

  4. プロジェクト・ベースド・ラーニング(PBL):

    • 概要: 実際の問題に取り組むプロジェクトを通して、調査力、協力、問題解決スキルを伸ばす。

    • 具体例: 生徒たちはグループで実社会の問題に取り組み、解決策を見つけるプロセスを経験。

これらのプログラムは、単なる知識伝達だけでなく、生徒たちが実践的なスキルを身につけ、豊かな学びを経験することを重視しています。非認知能力を促進し、生徒たちが将来の成功につながるスキルを発展させるのに寄与しています。

専門的な用語が多かったかもしれませんが、少しずつ、理解していきましょうね。

最後に
日本では、ゆとり教育の導入で、非認知能力の義務教育への導入が、20年近く遅れてしまいました。
今からでも遅くはありません。
ご家庭、学校、社会で、どんどん取り入れていきましょう。

お問合せ:産業衛生コンサルティング研究所  (otonatokodomonohokenshitsu.com)
Email: sangyoeisei3000@gmail.com

人的資本経営 非認知能力 産業衛生コンサルティング研究所 - 非認知能力コーチング 人的資本経営 自己肯定感向上セミナー (otonatokodomonohokenshitsu.com)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?