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Mr.Childrenのニッチな8曲を語る【有名アーティストや作曲家のオマージュも】

1989年結成の国民的ロックバンド「Mr.Children」は、メンバーが50代となった今でも圧倒的な人気を誇っていますね。2022年にはデビュー30周年を記念した「半世紀へのエントランス」と題した全国ツアーが行われ、「まだまだ50周年への序章に過ぎないんだ」と、ワクワクさせてくれます。

そんなMr.Childrenの、超有名!ではないかもしれない、隠れた名曲を8曲取り上げ、語ってみたいと思います。音楽的な考察や、他のアーティストのオマージュについても解説します。

「血の管」 アルバム「シフクノオト」(2004) より

この曲名にピンとこなかった方は、すぐに検索しないことをお勧めします。一言で言うと、イントロが若干ホラーなので、人によっては夜一人で聴くと、ゾッとして、夜中にトイレに行けなくなってしまうかもしれません…。タイトルからして十分気味が悪いですが。
このイントロの気持ち悪さですが、桜井和寿さんが小林武史さんに、以下のように依頼したとのことです。

お葬式を想像するようなものに

『BREaTH』ソニー・マガジンズ、2004年5月号、33頁

…なんですかその注文は…。そして実現している小林さんがさすがですね。あまりポップスでは使われることのない暗いイメージが特徴のマイナースケール(短調)の出だしではじまり、イントロの終わりでは不協和音になってしまいます。その最大級の気持ち悪さから、一転、妙に明るいコードでボーカルははじまります。しかし、明るいと思ったのも束の間、すぐにメロディは物悲しさを隠せなくなります。
また、このアルバムでは、「Pink~奇妙な夢~」というこれまた少し不気味な曲から続いての「血の管」ですので、余計にホラー感が増しています。
案の定、Amazon Musicの再生回数を見ると、アルバム「シフクノオト」の中では「血の管」だけが断然低くなっています(笑)イントロのピアノを聴いて、次の曲に飛ばしてしまう人が多いのではないか…と想像しています。聴いたことのない方は、ぜひ明るい時間に、聴いてみてください(笑)

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