RESEARCH Conference 2023に登壇しました!
みなさま、こんにちは。UXリサーチセンターです。
5月末に開催されたリサーチカンファレンスにて、有難いことに登壇の機会をいただき、大泊と倉内の二人で参加してきました。
今年度のテーマは「SPREAD」。Sansan社の開発メンバーはじめ、全社に向けてどのようにUXリサーチの文化を浸透させてきたかをお話しました。詳しくは、こちらの記事にも書いていますので、ご興味のある方は覗いてみてください。(記事の最後でもアーカイブ動画と資料をご案内しています!)
当日は、Miro(オンラインホワイトボードツール)で、さまざまなコメントや質問を投稿し合いながら盛り上がりました!私たちもリアルタイムで拝見していてとても楽しかったです!
今回は、Miroでいただいた質問に回答していきたいと思います!
質問を記入してくださったみなさま、本当にありがとうございます!
プロダクトの情報・メンバー間での情報共有編
A.
おっしゃる通り、情報収集や共有には課題がありました...。
プロダクト担当制にする前後で、このような課題感があったと思います。
プロダクト担当制にしたことで、プロダクト(事業部)との繋がりは強化できました。一方でリサーチャー同士での情報共有が少なくなってしまったため、次のような取り組みを実施していました。
ちなみに、プロダクト側の情報収集は以下のような取り組みを行いました。とにかく物理的・心理的な距離を縮めて、コミュニケーションの取りやすい関係性を作ることを考えていた気がします。
情報発信編
A.
定型とまでは言わないかもしれませんが、以下の内容を含めて投稿しています。
Slack上では、なるべく楽しく、ぱっと見で内容がわかるようにしています。なるべくスクロールさせないくらいの分量を心掛けているイメージです。
予算・コスト編
A.
はい、年間で予算を確保しています。
リサーチセンターでは、ユーザーにアンケートやインタビューに協力いただくケースが案件全体の約8割を占めています。そのため、ほぼ外部調査会社を利用せず調査が完了します。ただ、一部、外部調査会社を利用するケースがあり、その際の費用や、利用ツール(アンケート作成ツール、メール配信ツールなど)の予算を確保しています。
また、当初トップダウンでスタートした組織ということもあり、UXリサーチの文化を根付かせたり、部署として確立するまでのスピードは速かったように思います。スタートしてから約半年程、依頼を受ける形でしたが、そこから提案型が定着するまで、レポートに開発への示唆や次のリサーチ提案を書き添えるなど、小さな工夫を重ねながらの道のりでした。
プロダクト担当のメリット・デメリット編
A.
メリットは複数、デメリットは二つだと思います。
メリットは情報共有編でもお伝えした通り、プロダクト開発側の情報収集がしやすくなったこと、それによりPdMやデザイナーとの距離が近くなり、シンプルにコミュニケーションが円滑になりました。
また、「PdMやデザイナーと同じ目線で業務を行う」ことがサブミッションとしてありました。そのため、自分の関わった調査結果がどのように開発に活かされるか?をより意識するようになりましたね。
反面、リサーチセンターのメンバー間でのコミュニケーションが手薄になってしまったこと、プロダクトによって案件数に差が出たことはデメリットだと思います。
メンバー間のコミュニケーションについては解消しつつあります。
プロダクトもそれぞれ成長フェーズが違えば、必要な調査や件数も異なり、忙しいメンバー、手が空いてしまうメンバーと偏りが出てしまったことは事実です。
チームのOKRの決め方編
A.
とにかく経験数を増やすことからスタートしました。
チームができた当初は、UXリサーチの定義も曖昧でしたので、とにかく調査依頼をもらい、「できる/できない」調査を見極めることが必要でした。量をOKRとしていた時はクオーターに40件ほど、1人7~8件ほどの案件に関わっていました。
一定、量をこなせるようになって出てきたテーマが、個々の違いです。
これらの課題を解消するように「質」を担保するチームを組織して、以下のように各ツールを整備していきました。
また、質を担保するに辺り、定義を決めるのは容易ではなかったと思います。
当時、各プロダクト担当から事業部の部長へ、クオーター終了時に実施案件の報告をしていました。その内容に対しての評価をアンケートで回答してもらいました。
5段階中4.5以上であれば、質が担保できたと解釈し、合わせて定性的な評価から、どのように活動したことが質に繋がったのか分析していました。
リサーチ年間計画編
年間計画について
年度初めに、見えているプロダクト開発のロードマップと定点調査のタイミングを重ね、加えて、どのタイミングでどのような調査が必要か、リサーチャー目線で追加していきます。この計画について開発メンバーとキックオフを実施し、予め目線合わせをします。クオーター終了時に「実施した調査」「今後の調査」を改めてすり合わせをしていました。
年間計画も、クオーターごとにPdMと場合によっては事業部長レイヤーを交えて会話しており、開発ロードマップに変更がある場合は、臨機応変に修正していました。
一つ先のクオーター分は、「誰向けに」「なぜ」「どんな調査をするか」も含め、ある程度具体的に調査計画を立てていました。
二つ先以降のクオーターは、ロードマップ上の機能に対して、「調査の実施有無」と「タイミング」を決めているイメージで、この段階では「手法」も決めきっていない状態です。リサーチャーと開発メンバーが調査の有無を把握しておくイメージです。
OKRに組み込むためにした工夫
事業部側の部長レイヤーとの距離を近づけることが重要だと考えていました。まず、調査に興味を持ってもらうために、調査の報告会に事業部長レイヤーに参加してもらい信頼を得るところからのスタートだったと思います。
その他編
A.
調査終了後、報告会の場でリサーチャー視点で機能改善や、新たに必要になるリサーチを提案しています。それが種になり、PdMやデザイナーと会話を重ねリサーチを追加するケースや、機能実装に至ったケースがあります。
また、データアナリストが定量データから開発/改善の必要性を提言したり、NPS(顧客満足度)調査でのキードライバー分析の結果から改善を促すケースもあります。
NPS調査を年に2~4回実施しています。
定期的に行っていることから「定期調査」と呼んでいて、以下のような項目について聴取しています。
その他、ユーザー理解を深めるため定期的な「MeetUp」を開催しているプロダクトもあります。特定の課題についてヒアリングするというより、ユーザーの普段の業務やプロダクトの未来について語る場として、インタビューを実施する会にしています。
MeetUpについてはこちら、定期調査のNPSについてこちらの記事でも詳しく解説していますので、是非覗いてみてください!
おしまいに
当日は2人でとても緊張していたのですが、登壇が終わった後、Miroでのご質問やコメント、Twitterなど各種SNSでの盛り上がり、会場でのアフタートークなど、様々な方々との交流に心が温まりました。
本当に今後の励みにもなりました。
この場をもって、Research Conference運営の皆様、繋がりを持ってくださった皆様や弊社の取り組みを見てくださった皆様、その他全ての関係者のに心からお礼申し上げます。
今後も皆様との交流を続けていけたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
おまけ(当日の資料)
■アーカイブ動画
■当日の投影資料
情報交換をしませんか?
Sansan UXリサーチセンターの取り組みにご興味をお持ちいただけましたら、是非、下記までご連絡ください!