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『協働ラボ』リレーnote① 企画者の立場から…

北九州市市民活動サポートセンター イノです
今日は、昨日の投稿でお知らせした

今年度の「協働ラボ」のオープニングイベント開催に向けてのリレーnote 第一弾 です。

というわけで、以下からは、
企画者である
株式会社 三角形 福岡佐知子 さん
書いていただきましたので、読んでみてください!

『協働ラボ』って何ですか?


・はじめに
『協働ラボ』を始めて3年。
ここで言う“協働”ってなんですかね?(正確に言うと、なんやろうね?by北九州弁)という、改めて言葉にしてくださいとのオーダーを頂いたので、『協働ラボ』リレーnoteの初回に企画者の立場からお話させていただこうと思います。

・先に結論から
私は“協働”を、今こう考えています。

『他者と一緒に何かをすることによって、自分に変化があること。』

『協働ラボ』は、どこででもいつでも有効な“協働的な考え方やあり方”を体験する場です。
では、この企画の、私のなかでのルールと裏目的を書いてしまおうと思います。

そもそものはじまり

そもそも2015年~2018年まで、北九州市の市民活動団体と“多様な主体” と言われる企業や大学、地域との協働を促進する企画を手掛けてきました。

その企画は、大きな流れが決まっていました。
それは、
交流会をする、
協働できそうな相手を取り持つ、
協働したかどうかを聞く、あるいは促す。

私はお見合いの世話人みたいなハッピーな仕事です。

でも、すぐ企画のまずさみたいなものは現れました。

・企業や大学という組織と一緒に事業ができる団体が少ない

・短いプレゼンの時間では団体の活動は伝わりづらく、「良いことやってますね」でという感想で終わってしまう

・団体は企業を寄付してくれる人と捉えがち、大学生をマンパワーと捉えがち

・団体も企業もそれぞれの事業を進めているなかで、新しいことに取り組みにくい

・交流会をスタートに毎年運営することで、成果を単年で判断しなければならない。(行政スケジュールで下半期に集中する。)

・仕様書には、「○回開催」「○団体の参加」「○件の協働実績」(○には具体的な数字が入ります)というように、協働の成果が“数”で示されているため、本当の成果が見えにくい

これらを少しでも解消できるように、企画者は仕様書をマエからウシロからナナメから眺めながら、企画をより良くしていきます。

実際には、団体の活動紹介のテンプレートや資料を作ったり→バラバラで団体によって伝えたいところが違うと理解しづらい

テーマ型で開催したり→同じ方向を見ていると話が合いやすい

企業の場所を借りて実施したり→現場の空気を感じてほしい

アイデアワークショップを行ったり→企業も団体も“人”の協働から

と試行錯誤・四苦八苦の3年間でした。

それを経て、2020年、プロポーザル式で受託事業者を決めると聞いた当初は、企画提案をしないつもりで、これまで一緒にやってきたディレクター陣にも
「もう市民活動の仕事はしないです」と伝えていました。

ただ、釈然としない想いもあり、プロポーザルの場で一言もの申しておこうと企画したのが『協働ラボ』
確か、〆切りの前日に提案資料を一人で作ったのを覚えています。

前置きが長くなりましたが
『協働ラボ』で大切にしていること
1.“協働”は目的ではなく手段
2.定量評価だけではなく定性評価にも重きを置く
3.団体の方に何かを残せるように


1.当たり前じゃーん、と思ったことでしょう。
とはいえ、これまでの事業成果の測り方からすると協働は目的になっていました。
そして、私たちも何かしらを形にしなければ、ということに捕らわれすぎていました。

手段とは、道のりです。

目的のない手段をあらかじめ企画すること・評価することは難しく、また、手段と目的が入れ違っている人とわかり合うには時間がかかります。
誤解や不理解を乗り越えようとするのも、また“協働”だと思っています。

2.○団体参加、○件の協働実績ができました!を事業成果にしないとすると、行政的な成果をどこに見いだすか、というところですが、簡単に言うと、定量(数で数えられる)的な価値は定量で、定性(数では表せない)的な価値はしっかりとプロセスを残すという方法にしました。

2020年の仕様書には
「5件の協働を実現すること」
と書いていましたので、5人の協働相手を用意し、団体を募集する方法をとりました。てへ。
(ちなみに、現在の仕様書には数値目標は書かれていません。)

3.『協働ラボ』とはいえ、手段である“協働”ができないこともあります。 
ちゃんとしたゴールが見えないと不安だったり、メリットが分からないと進めなかったり、市や協働のパートナーが何かしてくれることに期待していたり、自分の考えや態度を手放せないこともあります。

短い時間の数回のなかでどうしても解決できず、もやもやを抱えることもあります。

企画者の意図としては、うまく行かない経験も“協働”の醍醐味だと思っています。

ただ、貴重なお金を使って上手くいかない経験をするだけなら意味はありません。

そのため、協働のパートナーとして参画する相手は、様々なジャンルの専門家にお願いしています。

知識やノウハウなど、団体に少しでも何か残るようにと考えています。

ここから、部外秘の裏目的。


『協働ラボ』裏の目的は市民活動サポートセンターの“協働”です。
大きく言うと、市の “協働”に関する考え方に対してです。

これまでの企画は前述のとおり、団体を見つけること、“多様な主体”という協働相手を見つけること、その間をコーディネートすること、その全てが外の事業者に任されていました。

一番大切な、つながりや経験値がセンターに残りづらい仕組みとなっていました。

北九州市には『協働のあり方に関する基本指針(平成24年11月制定)』があります。これによって、市民活動推進課では協働促進のための事業が行われています、いることでしょう。

今なお、北九州市の各課から発表されるアクションプランを見ると、必ずと言って良いほど、『NPOや市民団体との協働』と書いてあります。
“協働”の担当課だけではなく、市の職員、団体、住民含め、よりよい街の未来が描けることを願った企画です。

書き出すと長くなってしまうのですが、このように言葉にする機会をいただけるのはありがたい限りです。

企画者の話として、野暮な、話しにくいところまで、明らかにしたつもりです。

“協働”はなぜ必要なのか。


私たちは当たり前ですが、ひとりで生きている訳ではありません。
社会は、レストランのように「やる人」と「やってもらう人」が分かれている訳でもありません。
私たちは「やる人」であり「やってもらう人」です。

立場も年齢も経験も違う、様々な人と私、全員が心地よく暮らしていくためには、自分と異なる他者と折り合いをつける、知恵と勇気が必要なようです。

私自身も『協働ラボ』で学びました。

例えると、皿倉山に登ろうと準備していたのに、門司港でビールを飲んでいる、仲間と。
という状態です。(伝わりますかね?)

この企画でラッキーだったのは一緒に進む仲間に恵まれたことです。

最後に、協働の4つのあり方。

青い四角は資源、赤い矢印は時間を表しています。

協働を分けると、ざっくりこの4つの分類となります。

言葉や形にとらわれず、お互いを活かし合う開いた関係性でありたいです。

さあ、10月からの『協働ラボ』で一緒に新しい化学変化を起こしてみましょう‼︎


文責:福岡佐知子
https://note.com/sachisankaku

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