天の敵 イキウメ感想

人生2本目の演劇にして、過去最高作品。
好みでもあり、面白さもあった作品。
やっぱり自分は知識欲満たせて、発見があり、尚且つ面白いのが好きなんだなと再認識させてくれた。
前回のイモンドの奇跡と打って変わって、演出はまさに演劇。王道だ。
最初は一見物足りないかと思ったが、その分創意工夫が多く見れた。
物語としては長生き爺さんの健康法、それを見つける、見つけてからのお話。上手さが特に光ったのが事実や現実との絡め方だ。まるで史実の様に聴こえてくるストーリーは驚いた。どれだけ調べて、噛み砕いて、自分のものにしてから出せばあれだけ本物の様に聞こえるのか。他作品のアイデンティティも巻き込みつつ、オリジナルの脚本に仕上げるのは製作者の地力の高さを感じた。
やっぱり演劇は言葉遊びが面白い。説明がどうしても映像作品より必要な分、ひねってひねって笑わせる。
比較する演劇が一本しかないからわからないけど、わかりやすい脚本だったのでは?と思う。割とみんなが楽しめて、勉強できる。文句があるとすればラスト。あれは逃げではないか?あそこの決断にこの物語のカタルシスがあったのではと感じてしまう。

友人からこの劇団は照明がおしゃれだと聞いていたがまさにだった。青みがかった早朝の様な淡いライトに、昔の鉄工所の様な古い黄色みがかってライト。ラストの冷蔵庫を開ける際の反射は天才だと思った。映像ではない演劇にしては珍しい視覚効果が僕らにまで届いていた。

ワンカットのはずの演劇だが、様々なカットがあったかの様に思うほど目まぐるしく場面が変わっていく楽しい演劇だった。

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