⭐️気まぐれ映画評   第六弾

『散歩する侵略者』。
これまた公開時は観る気満々だったが観そびれてしまった作品。

毎度ながら黒沢清監督の巧みな世界観の構築には唸らされる。撮影法、実に効果的な音楽。リアルな衣装。
そしてこれまたいつも思うのだが黒沢監督の映画は映像の教科書のよう。完璧な画角。T.O.Pに合った完璧なカメラワーク。視覚効果。どれを取ってもさすがです。

この映画は劇団イキウメの演劇作品が映画化されたものだ。イキウメ

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【舞台観劇ノート①】  獣の柱/イキウメ

ここ数年欠かさず見てきたイキウメの本公演@シアタートラム。

「獣の柱」は数年前にも上演されていて今回は再演。
再演と言ってもキャストも違うし、お話もちょこっとだけ違っていて演出の前川さんが2019年版に書き直しているみたい。
再演といえば2017年に見た&映画にもなった「散歩する侵略者」もそうだったな。時代に合わせた社会問題を直接的でなく人の胸の内にじわっと感じさせる演出が毎回好き。笑えるところ

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芝居のチラシ博覧会(in自宅)を開催する

ラーメンズの小林賢太郎さんの著作「僕がコントや演劇のために考えていること」の中に、こんな一節があったのをふと思い出しました。

自宅の壁には、あらゆるチラシが100枚貼ってありました。演劇、映画、美術展、「良い」と思ったらなんでも。新しいものが手に入ったら、壁から落選を剥がし、貼り替える。つまり、僕にとってのベスト100が常に目に入るようにしておいたのです。これをしばらく続けたことで「捨てるチラシ

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モロッコヨーグルを食べ過ぎて、体調を崩したことがあります。
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物語における「境界」の魅惑たるや

小さい頃、私は物語が大好きな子供だった。

読み書きもできないほど幼いときから、グリム童話を何度も何度も読み聞かせてもらい、幼稚園の時には『海賊ポケット』シリーズや世界の名作文学シリーズ(『十五少年漂流記』『ガリバー旅行記』など)を図書館で借りてまとめ読みした。

そして、小学生のとき、かの『ハリー・ポッター』シリーズと出会った。家に帰って読むのが待ち遠しくて、早く放課後になればいいのにと思いなが

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「地下室の手記」を見てほしい

私は他の人からどう見られるのか、
がすごく気になる。気になるのだ。

それはもう、一周回って「え?人の目?そんなの気にしてたら生きてられないよ笑」という鼻につく演技をしてしまうほどに拗らせている。

私は25歳まで芝居をしていた。
その頃、高校の同級生に会うのが怖かった。
彼らは私のことを純粋に応援し、舞台に足を運んでくれていたけど、すこぶる怖かった。

「どこかで笑っているんじゃないか。」「どう

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観劇感想:イキウメ「図書館的人生Vol.4 襲ってくるもの」@東京芸術劇場

図書館的人生、第四巻は意識の中の魔物、「感情、衝動、思い出」についての短篇集。
誰かの何気ない一言で湧き上がってきた感情。
突然、心の中に火花のように現れては消えていく衝動。
見知らぬ人の芳香や懐かしい音楽が、否応なしに引きずり出す思い出。
それらはふとしたきっかけで襲ってくる。意志とは無関係に。
無視することはできても、無かったことにはできない。
私達の日常は平穏に見えて、心の中は様々なものに襲

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繊細な演技が激しく揺らす魂…★劇評★【舞台=父と暮せば(2018)】

引っ越しのために荷物を整理していて古ぼけた広島原爆資料館(正式には広島平和記念資料館)の冊子を見つけた。実はこれは大変な大発見だった。自分では「小学2年生の時に広島で原爆被害の展示を見て、その後の反戦への思いが固まった」ことをよく覚えていた。その時7歳の子どもながらに「いたかったやろな、かなしいな、ぜったいあかん、こんなんあかん」と思ったことも明確に覚えているのだが、裏付けになる証拠がなかった。し

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ミッション的人生

昨日、人気劇団「イキウメ」の新作舞台を見に行ってきた。

イキウメはお芝居をしていた頃に大変お世話になった劇団だ。(「聖地X」という作品に出してもらったこともあった)

もし物語を作る側の人がいたら、是非一度は舞台を見に行ってほしい。

主催の前川さんが書く世界観はSF。(しかしここで言うSFはサイエンスフィクションではなく、藤子・F・不二雄先生や藤子不二雄A先生の描く、S(少し)F(不思議な世界

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観劇感想:イキウメ「天の敵」

「人生という、死に至る病に効果あり。」

恒例となった前川さんのホームグラウンド、劇団イキウメの公演です。

2017年5月に見に行ってまいりました。

過去作品「図書館的人生 Vol.3 食べもの連鎖」の追加脚本verです。

奇しくも人の血を飲むことで永遠の命を得た人間(ドラキュラ)の伝記モノ。

(主人公は別の人です)

<あらすじ>
ジャーナリストの寺泊 満(安井順平)は、菜食の人気料理家

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観劇感想:カタルシツ「生きてる時間」

2017年2月。

いつも見に行っている劇団イキウメの番外編(?)カタルシツの公演です。

今回はなんと落語家さんとコラボ!ということで、落語の語りシーンと演劇シーンを交互にやる感じでした。(話としてはつながっている。)

過去作品、「表と裏と、その向こう」(2008年)をベースにしています。

とはいえ、登場人物は削られ、ラストもちょっと違ったような。。。

見てしばらく時間が経ってしまったので

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