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燻製、ローストビーフ、食はエンタメ。

令和6年1月。その日はせっかくの土曜日だというのに雨が降っていた。


「雨なんて、何のその」

そんなことを言って出かけるほど、私はアクティブではない。「ああ、雨かあ」と呟きながら、家でぐだぐだする口実になってちょうどいいなあ、なんてことを窓を打つ雨音を聞きながら考えたりは、していない。

窓の外を見ると、庭で狼煙のろしが上がっているではないか!

「我が家に曲者がおるのか?! であえであえ!」
と夫がどうしても欲しいと予約注文した鬼滅の刃の煉獄さんの刀を片手に庭へ出る、なんてことはなく、私はささやかに設置されている狭い狭いウッドデッキを窓越しにのぞいた。

もくもく

そこには黙々ともくもくしている段ボールが二つ。

これぞダンボールハウス

正体はこれである。

何を隠そう、いや、な〜んにも隠れていないが、雨の日の暇つぶしに夫が燻製を作っていた。

ホタテと明太子
チーズと沢庵
卵とソーセージ

卵は昨晩から仕込んでいたけど、固茹でになってしまっていた。あとは下味なしで燻製できる食材たち。

出来上がった燻製たち
おにく

そして、私はというと加工肉はあまり食べない主義なので、燻製だけじゃあ肉が足りないなあ、と牛のブロック肉をぎゅうぎゅう、いや、じゅうじゅうと焼いた。

焦げ目のついた牛の肉をジップロックに詰めて、牛を羽交い締めにして、ぐらぐらと熱湯が煮えたぎる鍋の中、いわゆる阿鼻地獄へと落とした。果たしてこの牛は生前、なにか悪どいことでもしたのだろうか。雄牛を何頭も誘惑しては、失意の底に落としまくるとか、雌牛に結婚を申し出て金だけ踏んだくって逃げたとかなんとか。いや、そんなことはあるまい。阿鼻地獄へと落としたのは、そう、私のエゴである。

鍋を見つめながら、そんな妄想をするようなことは全くなく、15分ほど焼いた肉を熱湯に入れておいたあと、ゆっくりと取り出した。

すると、ローストビーフのできあがり♡

薄く切られた牛
きゅうりの糠漬けもあるけど、ぶっといな。
糖質ゼロだし、カロリーもゼロだよね〜

ということで、美味しい晩ごはんをいただいた。

一番のお気に入りは、明太子の燻製。チーズと明太子を一緒に食べると酒のつまみに最高である。卵は茹ですぎていて黄身がかたまりすぎていた。半熟とろ〜りが理想だが、加熱時間を謝った。ごめんなさい。謝罪します。

ホタテは刺身をそのまま燻製にしてしまったので、本当は下味をつけるべきだったのでは、という話になったが、ホタテの塩味がいい感じに効いていて、味は少し薄いかなというくらいだった。わさびをつけて食べたらちょうどいいと感じた。それと沢庵! これはいつ食べても最高。こちらもチーズと合う。

ああ、とにかく酒がススム。でも、糖質ゼロだし〜。糖質ゼロだもん。そうだよ! ゼロって何をかけてもゼロだよね〜。

ローストビーフも成功。塩胡椒が効きすぎかなと思ったが、何もかけなくてもいいぐらいに美味しかった。肉、最高!!

ビールに飽きて来たら……。

いや、ビールに飽きることなんてない。味変したくなったので、スミノフと京都レモネードを炭酸で割った。ああ、レモン味のお酒、いいっ!ほんのり甘いのとこもいい。ああ、最高。


やっぱり、食はエンタメだよな、と思う。
特にその日は何をしたってわけでもない。
ただ、飯を作って、食べて、酒飲んだだけ。

それがいい。
いつも食べないものを、少しだけ時間をかけて作ってみんなで食べる。失敗してもいい。それさえもつまみになる。

雨だって、晴れだって、美味しいものがあれば、元気になれる!


なんてことを、頭の隅で余計なことを考えながら考える。
「こんなだから太るし、エンゲル係数高いんやん!」
と自分を責めたとしても、反省したりはしない。


まあ、ダイエットは明日から〜。
減量が成功する俺の明日はどっちだ!



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