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セルフコンパッションとは

 あなたはセルフコンパッションという言葉を聞いたことがありますか?

 最近マインドフルネスとともに注目されているワードです。

 self(=自己)・compassion(=おもいやり)と日本語では訳されることが多いようです。簡単に言ってしまえば「ありのままの自分を受け入れる」「自分に対して寛容になる」ということですね。

 誤解が多いようですが、セルフコンパッションは単なる甘えとか楽観主義ではありません。困難や挑戦の時に乗り越えるモチベーションを維持してくれたり、挫折や悲嘆の時にレジリエンス(再起力)を与えてくれるものです。

 あなたは自分に対して厳し過ぎる時はないですか?「自分はあの人と比べてまだまだだ」、「挑戦のない日々に価値は無い」などと思っているかもしれません。もしくは「私には幸せになる価値は無いの」などと自分を低く見積もりすぎたり、悲観的に考えることはありませんか?

 そんな時にセルフコンパッションを知り、自分自身にいたわりを持って接し、まずはありのままの自分を受け入れてはどうでしょうか。例えば「自分はあの人と比べてまだまだだ(でも、去年の今頃の自分と比べたらかなり成長したな)」、「挑戦のない日々に価値は無い(でも、休息する時間も必要だ)」、「私には幸せになる価値は無いの(でも。心から不幸になりたいと思っているわけではない)」

 これだけ聞いて「怠惰だね」「ただの甘えでは?」と思いましたか?もし、そう感じたのならあなたにはセルフコンパッションが必要なのかもしれません。もし、立ち止まってしまった時に、もう一度立ち上がって、前に進むために

 初めにも書きましたがセルフコンパッションはあなたが意欲的であることや頑張ることを止めるものではありません。あくまで動機付けるためのものなのです。

 例えば、あなたの好きな人のことを思い浮かべてみてください。家族や恋人。いなければペットや好きな俳優やアニメのキャラでもかまいません。あなたの好きな人は今、困難な状況に陥っています。もしくはひどく傷ついているかもしれません。もはや立ち上がる気力もなく、うなだれています。その時あなただったら、あなたの好きな人になんと声をかけるでしょうか?おそらく思いやりや優しさにあふれた言葉をかけるのではないでしょうか。もし、彼らが再び立ち上がろうとするなら励ましの言葉を送るかもしれません。でも、罵倒するような言葉はかけないのではないでしょうか。

 ではあなたの好きな人よりももっと長い年月をいつも一緒に過ごしてきた人を思い浮かべてみてください。彼、若しくは彼女はいつもあなたと一緒でした。片時も離れたことはありません。そう、あなた自身です。

 しかし、もし自分自身が傷ついた時、挫折した時、失敗した時には「自分はなんてダメなんだ!!(時には「こんな奴は世界に私だけだ」)」と声をかけてしまうのです。

 自分に厳しく、他人に優しくとは美徳なのかもしれません。

 でも、同時に必要以上に自分を痛めつける必要はどこにもありません。

 例えば私の場合ですが、高校生時代「1日1時間勉強しよう」と目標を立てたことがあります。何日かは続いたのですが、ある日「今日は疲れているし、また明日がんばろう」と思ったのです。そして翌日「昨日はできなかったから、今日は2時間頑張ろう」と勉強し始めました。しかし、もともと勉強習慣がなかった私が1時間を超えて集中し続けることはできず、1時間で切り上げました。そして「この遅れを取り戻すように週末に3時間勉強しよう」と意気込み迎えた週末も、もともと入っていた用事で勉強時間を確保できませんでした。

 その時私は「この程度のことも成し遂げられない自分は希望の大学に行けるわけない」と思い、やる気も低くなり、勉強習慣は再び元の状態に戻ってしまいました。

 もしもこの時セルフコンパッションを持って「もともと自分には勉強習慣が無かった。それが1日1時間が週5日もできたんだ。すごいものじゃないか。だったら来週も5日がんばろう。できたら6日がんばろう」と自分を励ますことができていたら結果は違ったものになったでしょう。

 その後も私は無茶な目標を掲げては達成できず、そのたびに「自分には無理だ。自分には無理だ」と自己暗示をかけ続けていました。まるで水中であがき続けているのに水面がどちらにあるのか分からず溺れているようなものでした。ですがある時セルフコンパッションの考え方を知りました。ただ、水面を目指そうとあがくのではなく、冷静に水底まで潜り、力強く蹴ることで水面まで浮き上がり、空気を吸うことができました。

 セルフコンパッションの効果には、根拠に基づいた、持続可能で、妥当な目標を設定できるようになるというものもあります。私はこの考え方に出会って世界の見方が大きく変わりました。なのでセルフコンパッションをまだ知らない多くの人に知ってほしいと思いました。そして「自分に愛情を向けてもいいんですよ。」と伝えられたらいいなと思い、この記事を書かせていただきました。

 ここまで読んでくれてありがとうございました。この記事があなたが自分らしく生きることの手助けとなれば幸いです。

”何よりもあなたが努力して幸せになれますように。あなた自身のためにセルフコンパッションを持てますように”


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