佐々木俊尚

作家・ジャーナリスト。近代の終焉と情報通信テクノロジーの進化が社会をどう変容させるのか…

佐々木俊尚

作家・ジャーナリスト。近代の終焉と情報通信テクノロジーの進化が社会をどう変容させるのかをライフワークとしています。

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  • 佐々木俊尚の未来地図レポート

    社会はこれからどうなっていくのか? テクノロジーは社会をどう変えるのか? わたしたちの関係性はどこに向かうのか? 佐々木俊尚が独自の視点で切り取った、世界の見方をお伝えします。

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    日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEMOがついた投稿を日々COMEMOスタッフが巡回し、COMEMOマガジンや日経電子版でご紹介させていただきます。「書けば、つながる」をスローガンに、より多くのビジネスパーソンが発信し、つながり、ビジネスシーンを活性化する世界を創っていきたいと思います。 https://bit.ly/2EbuxaF

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最近の記事

これからの観光は名所旧跡ではなく、歩ける「けもの道探訪」佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.804

特集 これからの観光は名所旧跡ではなく、歩ける「けもの道探訪」〜〜〜「絶景でインスタ映え」はもはや古い 歩いて楽しい街、最近の流行りことばで言えば「ウォーカブルシティ」に必要な要素は、何でしょうか。前回は以下の四つが必要であると解説しました。 (1) 商店や飲食店、駅、住宅などさまざまな要素が混在していること。 (2)交差点と交差点の距離が短く、歩道なども整備され「歩くインフラ」が整っていること。 (3)歩いていて気持ちの良い美しい景色があること。 (4)交通事故や

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    • 歩き迷える「ウォーカブル」な街こそが21世紀の都市の魅力だ 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.803

      特集 歩き迷える「ウォーカブル」な街こそが21世紀の都市の魅力だ〜〜〜歩いて楽しめる街にはどのような要素が必要なのか 「歩く」ということに近年、注目が集まっています。とはいえ本稿では「健康のためには歩くことが大切だ」「身近な散歩から始めよう」と言った、よくあるステレオタイプな話に終わらせるつもりはありません。「歩く」が2024年現在、社会においてどう位置づけられ、これが未来にはどう変化していく可能性があるのかを、さまざまな補助線を引きながら予測していきましょう。 さて、「

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      • 水道の給水停止という公務員のお仕事から、現代社会の貧困を学ぼう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.802

        特集 水道の給水停止という公務員のお仕事から、現代社会の貧困を学ぼう〜〜〜生田斗真主演の傑作「渇水」をAmazonPrimeVideoで観る 今回は「水道の停止執行」をテーマに、貧困について考えてみましょう。昨年劇場公開された「渇水」という日本映画があります。アマゾンプライム会員ならプライムビデオで追加料金なしで配信を観ることができます。 生田斗真が主人公の市役所水道局員、同僚に磯村勇斗、水道を止められてしまう貧しいシングル世帯のお母さんに門脇麦という、なんとも安心して観

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        • 「運用する側の視点」と「弱者の視点」のバランスを考えることが大事 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.801

          特集 「運用する側の視点」と「弱者の視点」のバランスを考えることが大事〜〜〜SNS時代に可視化された「現場の哲学」を考える(2) インターネットが普及する以前から、新聞やテレビの報道はつねに「お客さんの目線」でした。鉄道が事故や災害などで運休したときには、あくまで乗客の目線で報じているのです。しかし一般社会には、現場の人間として「運用する側」として働いている人がたくさんいる。そうした人たちは駅員に突っかかる客の目線ではなく、苦労しながら復旧させる駅員さんや現場スタッフの目線

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          「弱者は誰なのか?」論争で考える「鉄道駅員は権力者なのか?」問題 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.800

          特集 「弱者は誰なのか?」論争で考える「鉄道駅員は権力者なのか?」問題〜〜〜SNS時代に可視化された「現場の哲学」を考える(1) ハンバーガーチェーンのマクドナルドで今月、システム障害によって全国の多くの店舗でレジが使えなくなり、スマートフォンによるモバイルオーダーもできなくなってしまうというできごとがありました。新聞やテレビでも大きなニュースとなっています。そうしたニュースでは、障害の内容を解説するのとともに、お客さんの「困りました」という反応を紹介するというのが常道。

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          方程式では「解」そのものではなく「解の公式」を示すことが大事 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.799

          特集 方程式では「解」そのものではなく「解の公式」を示すことが大事〜〜〜読解力の乏しい人たちにどう届けるのかという難題を考える 読解力の乏しい人の存在が可視化されてしまったSNS時代。このような社会で、どのようにして発信していけばいいのでしょうか。 しばらく前に、とある情報プラットフォームを運営している人から話を聞いたことがあります。その人いわく「情報リテラシーの高い人は、情報に対してそうかんたんにはお金を払わないんですよね」という。 「情報にすぐにお金を払ってくれるの

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          「水戸黄門のような勧善懲悪」世界観はなぜ害悪なのか 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.798

          特集 「水戸黄門のような勧善懲悪」世界観はなぜ害悪なのか〜〜〜イスラエルとパレスチナの戦争から学ぶ「問題解決の壁」 読解力のない人は、世界をどう理解しているのでしょうか。もちろん個別のケースがありその理解のありようは一様ではないのですが、わたしがそうした人たちにTwitterなどで触れてきた経験からいえば、だいたいにおいて、彼らは「過去のステレオタイプ」に凝り固まっていることが多いようです。 そうした「過去のステレオタイプ」とはどのようなものか。最も多いのは、時代劇「水戸

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          「わかりやすさ」と「単純化する」はまったく違うものと意識しよう 佐々木俊尚の未来地図レポート vol.797

          特集 「わかりやすさ」と「単純化する」はまったく違うものと意識しよう〜〜〜読解力のない人の世界で文章を書いていくために SNS社会になって、社会には一定数の「読解力のない人」が存在することが見える化されるようになりました。ツイッターでやりとりをしていて「え?なんでこんなにトンチンカンなリプライを返してくるの?」と感じることは数知れず。 しばらく前に、エアコンの修理について次のような投稿をしたことがあります。エアコンなどの大型家電も長年使っていると壊れてくるので、戸建てを購

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          エンピツを題材に「拡散的思考」を練習するレッスン 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.796

          特集 エンピツを題材に「拡散的思考」を練習するレッスン〜〜〜成果を出すためには、とりとめもない思考も大事 「アイデアをどう成果物に結びつけるのか」という昔からの難しい問題。本稿では前回に引き続いて、アイデアから成果物へといたる「思考のプロセス」に注目することで、この難題について解説していきます。 思考には「集約的思考」と「拡散的思考」があります。集約的思考はただひとつに集約していく思考であり、思考の結果として生産があり、原稿や講演といった成果物に結実します。拡散的思考はひ

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          思考には、集約的思考と拡散的思考の二つがあると認識しよう 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.795

          特集 思考には、集約的思考と拡散的思考の二つがあると認識しよう〜〜〜アイデアや思いつきは、書き留めるだけでは先に進まない 読者のかたから質問をいただきました。 この記事で、地方には「男性の仕事のバリエーションに比べると、はるかに女性のバリエーションが地方にはない」という理由が語られているけれども、本当にそうなのだろうかという質問です。そうではなく「男尊女卑的な固定化されたジェンダー観」「給与水準が低い労働集約的産業」「食つなぐには良いが、長く続けるには展望を描けない仕事」

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          現代日本社会におけるアジール(無縁の避難所)としての宗教の価値 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.794

          特集 現代日本社会におけるアジール(無縁の避難所)としての宗教の価値〜〜〜宗教と社会の関係を考える(2) 宗教と社会の関わり合いについての論考の第二回目です。日本では1980年代の霊感商法事件や90年代のオウム真理教事件などから、新宗教への忌避感が異様に強くなっており、現代日本では語ることさえ誹謗中傷の対象になってしまっています。宗教という内心の自由も含めた多様性を尊重するはずの「リベラル」を名乗る人たちまでもが、宗教を排斥し中傷しバカにしているのは実に残念な事態でしかあり

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          オウム真理教事件の取材で考えた「なぜ人は宗教にはまるのか」問題 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.793

          特集 オウム真理教事件の取材で考えた「なぜ人は宗教にはまるのか」問題〜〜〜宗教と社会の関係を考える(1) 宗教と社会の関わり合いという、かなり難しい問題について論考しましょう。なお事前に伝えておくと、わたし自身は既存の宗教を信仰はしておらず、宗教団体にも所属していません。とはいえ、長く登山を続けてきた体験もあって、「あらゆる自然に神は宿っている」というような日本的な素朴な信仰心は持っています。 わたしが「宗教とは何か。なぜ人は宗教に帰依するのか」という問題に関心を持ったき

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          AIはあらゆるものを最適化し、人間のマネジメントや勘を代替していく 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.792

          特集 AIはあらゆるものを最適化し、人間のマネジメントや勘を代替していく〜〜〜生成AIがもたらす三つの方向性を解説する(3) 生成AIがもたらす可能性について、本メルマガのこれまで2回で「人間の雑用をこなすようになる」「人間が機械を操作するインタフェイスが、GUIから音声とジェスチャーに代替される」という二つの方向について論じてきました。今回はその3つめである「あらゆるものを最適化する」という方向性です。 この方向性の試金石となるであろうケースは、無人タクシーです。日本で

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          スマホのタッチスクリーンは、音声とジェスチャーに代替されていく 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.791

          特集 スマホのタッチスクリーンは、音声とジェスチャーに代替されていく 〜〜〜生成AIがもたらす三つの方向性を解説する(2) パソコンからスマホへと長く続いてきた「アイコンをポインタで指示する」というGUI(グラフィカルユーザインタフェイス)。GUIの時代は40年近くとあまりにも長く続いてきましたが、そろそろ変化の潮時が訪れているようです。 次世代のインタフェイスとして期待されているのは、音声とジェスチャー。いままさにChatGPTのような生成AIがテキストのタイプによるコ

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          「生成AI最適化」がネット広告の次の主戦場だ

          1990年代、インターネットが社会に普及しはじめたころの「ネットの玄関口」はヤフーなどのポータルサイトでした。そのころは検索エンジンの性能も低かったため、さまざまなウェブサイトが「科学」「社会」「芸能」「スポーツ」などのジャンル別に書棚のように収められているヤフーのディレクトリから、目的とするサイトを探して訪問していたのです。 これを変えたのは、高性能なグーグルの検索エンジン。2000年代に入ると検索エンジンが「ネットの玄関口」になり、ポータルサイトから目的地を探すのではな

          「生成AI最適化」がネット広告の次の主戦場だ

          生成AIは単なる「人間のお手伝いさん」だけにはとどまらない 佐々木俊尚の未来地図レポート Vol.790

          特集 生成AIは単なる「人間のお手伝いさん」だけにはとどまらない〜〜〜生成AIがもたらす三つの方向性を解説する(1) この1年にわたってテック業界を席巻している生成AIは、マイクロソフトがコーパイロット(Copilot)をリリースしたことでフェーズが一段階進んだ感があります。コーパイロットは、マイクロソフトが巨額出資しているOpenAIのチャットGPTをベースとして、生成AI機能をWindowsやWord、Excelなどのオフィスソフトに実装するというものです。 具体的に

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