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あやふやな国のあやふやな味のアイス

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アイスは1日三個まで。それが青春の掟。 上海 上海 台湾 スペイン・コルドバ また上海 ときて、次はどこのアイス?!
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あやふやな国のあやふやな味のアイス 4話  太陽の国のシャーベット

あやふやな国のあやふやな味のアイス 4話 太陽の国のシャーベット

21歳の私は友達8人と共にヨーロッパをバックパックで旅していた。

スペイン・コルドバは中世までイスラム教で、その後ユダヤ教やキリスト教が入ってきた街なので、建物の様式が独特だという。歴史地区に鎮座する世界文化遺産のメスキータ。いかにもイスラムな縞模様のアーチを見て、食いしん坊な私と友達は口々に「ペロペロキャンディーみたいじゃね?」と囁きあったものだ。
白い壁に囲まれた家々を横目に狭い路地をすり抜

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あやふやな国のあやふやな味のアイス 1話   頼むと舌打ちされるアイス

あやふやな国のあやふやな味のアイス 1話 頼むと舌打ちされるアイス

認知症になるのを待つまでもなく、いろんなことを忘却している。記憶が溶けて流れて、いろんなものの境目が、あやふやになっている。

たぶん上海の打浦桥駅ビルの地下にあるスーパー。海外によくある、入り口と出口がゲートで、お客さんが逆流できないタイプの作り。その中の木製のアメリカンな雰囲気のスタンドに、色とりどりのアイスクリームが売っていた。店員さんがいつもいなくて、レジの人に声を掛けると、舌打ちしながら

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あやふやな国のあやふやな味のアイス  2話 田子坊の緑豆アイスキャンディ

あやふやな国のあやふやな味のアイス 2話 田子坊の緑豆アイスキャンディ

上海の交通大学で日本語を勉強してる中国人の男の子を知人に紹介されて、勉強友達として仲良くしていた。眼鏡くんとでも呼んでおく。

その日は田子坊で語学を学びながら遊ぼう的なやつだった。

眼鏡くんが緑豆アイスを買ってくれて、手渡された。 人混みのなかを歩きながら食べた。小豆みたいでおいしい。食べ終わると眼鏡野郎は、アイスの棒を地面に投げ捨てた。
あまりのことに、わたしはおい・・・💢と低い声を出した

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あやふやな国のあやふやな味のアイス 3話 飛行機に乗り遅れるアイス

あやふやな国のあやふやな味のアイス 3話 飛行機に乗り遅れるアイス

花生捲冰淇淋
と書かれたダンボールの看板を眺めて、なんじゃこらと思った。小麦色の肌したお姉さんが売ってる商品を眺めていた。
カメラを向けると、お姉さんは巨大な羊羹みたいなものにカンナをかけつつ、笑顔でポーズを決めてくれた。

値段を見ると100円くらいなので、試しに買ってみた。すると、焼きたてクレープの上に
ピーナツのヌガー(羊羹かと思ったら違った)をかんなで削ったものをふりかけ、
里芋?アイスを

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あやふや国のあやふやな味のアイス  5話  ジャリジャリ飴を噛むペニンシュラ

あやふや国のあやふやな味のアイス 5話 ジャリジャリ飴を噛むペニンシュラ

※今回はアイスじゃなくてケーキです。

寒波が襲来したクリスマス目前の金曜日のこと。外灘の半島酒店(ペニンシュラホテル)で、中学の同級生Sと食事した。

私は上海でほそぼそ働いていて、Sは香港でバリバリ働いていた28歳の冬だった。上海へは出張で時々来るんだそうだ。

上海の新宿・南京東路で落ち合って「久しぶり」「15年振りだね」と言い合いながら、賑やかな通りを行ったり来たり、どこで晩御飯にするか迷

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