あなたの夢はなんですか?
とあるフィリピン人に、こんな質問をしたことがある。
私「あなたの夢はなんですか?」
フィリ「家族で一緒に暮らすために家を建てたい。」
私「なるほど。じゃあその夢叶えてみる?」
こんな一言で始まった、海外就職計画。
先のことはひとまず考えず、とりあえずその夢かなえてあげたい。
その気持しか自分の中にはなかった。
フィリピン人が海外で働くとなるとビザやお金が深刻な問題になってくる。渡航費、エージェント代、トレーニング代など必要になってくるらしい。
私「ちなみにどこの国で働きたい?」
フィリ「日本がいいな」
となったけど、日本や韓国へ行くとなるとビザが必要になってきて難易度高いので、今回は、ある程度行きやすそうな国へ進出する計画を立てることにした。
しかし、現実問題お金がなかった。だからエージェントにも行けない。
仕事探す手段ないねとなってしまった。
私自身、他の国での海外就職の方法をその時は知らなかったので、本人が身近で経験している人の話を聞いてくるのが一番早い方法であると思った。どんな方法で海外就職できるのか。
その後、おすすめのエージェントは紹介してもらえた。だが、まだお金は用意できていない。お金を準備するためにフィリピンで働いていたら、一生行けないと思った。貯金できないから。いや、しないから笑
んーどうしようかな。と考えたけど、当時の自分は仕事を辞めてから1年半ほど経っていて、ほとんど手元にお金がなかった。
そこで見つけたのが、目の前のカメラ類。
すごく毎日悩んだ。このカメラを売るか、別の方法を考えるか。
しかし、頭の中には、すぐに海外へ行ってほしいという気持ちが強かった。
だから、大事にしていたカメラを手放することにした。私はまた働いてお金を貯めたら買えるからって、その時は思って。
次の日にはカメラを手放し、海外就職計画がスタートした。
どの国の人も、もちろん同じ人間であるため、知らない世界へ飛び込むのは怖いと感じる。日本人でも多くの人は感じるものであろう。
仕事を辞める決断をするのだが、ずいぶん時間がかかった。
その後、エージェントに行って、トレーニングを受けて、準備し始めてから半年が経過して、航空券を手に入れる!ってところまで来た。
そして、自分のお金を手渡した。このお金を使っていいよって。
友達も私がお金がないことも知っていたから、必ず返すねって約束をかわした。
正直、フィリピン人にお金を貸して返ってきたという事例は少ないんじゃないかな。他の日本人からは、よく貸したな〜って驚かれることばかりだった。
しかし、私の中では返してくれると信じていた。根拠のない自信だけはあった。
ついに渡航日が決まった。わくわくと不安。家族と離れ2年いく予定となった。
そして、2018年11月末、香港へ旅立った。
心配していたが、とても素敵なホストファミリーに恵まれたようで、安心した。
そして、すぐにお金が返ってきた。
「ありがとうって。人生変わったよ」って。
久しく連絡は取っていないのだが、友達の親戚伝いで最近の話を聞いた。
もう家を建て始めているらしい。
正直驚いた。
すごい行動力だなと思ったし、それと同時に嬉しい気持ちでいっぱいだった。
家族が揃って過ごせる日が待ち遠しいな。
これからもどんな形かわからないけど、身近な人達の応援をしていきたいな。