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義経じゃない方の判官びいき【佐々木道誉】

 偏見だけで判官さま(佐々木道誉)を書いた。

佐々木道誉(どうよ)とは・・・

鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将、守護大名。
初めは鎌倉幕府執権・北条高時に仕えるが、のちに鎌倉幕府を倒すべく兵をあげた足利尊氏に従う
室町幕府では政所執事や6ヵ国の守護を兼ねた。
役職は佐渡判官(ほうがんorはんがん)。
Wikipedia


 見て分かる通り、私は絵は得意ではない。

 でも、かっこよく描いたつもり・・・でいる。理由は単純、好きだから!
 その道誉を、2つの変な視点から軽く書きたいと思う。

バサラスタイル

 洋服なんて、時代劇や博物館に飾ってある衣装では見ないような色。

 でもこれくらいの派手なファッション、婆娑羅なら着こなしてたはず・・・と一人で言い訳しながら色を塗った。

 なんてたって、目撃情報は揃っているんだ!

 以下、バサラに対する当時の口コミ。


~鉛でつくった大きな刀を前下がりに目立つように腰に差し、人目をひく、はでな絵柄の扇をみせびらかし・・・
「二条河原の落書」(超訳)
~此に高欄を金襴にて裹て、ぎぼうしに金薄を押し、橋板に太唐氈・呉郡の綾・蜀江の錦、色々に布展べたれば、落花上に積て朝陽不到渓陰処、留得横橋一板雪相似たり。踏に足冷く歩むに履香し。遥に風磴を登れば、竹筧に甘泉を分て、石鼎に茶の湯を立置たり・・・
「太平記」

 ・・・ヤンキー?

 田舎の高校で短ラン来て派手な刺繍を施しているようなものだろうか。

 暴走族のように服の背中に派手な文字を背負い、「オラオラ」言いながら街を練り歩き、でもダンスや生け花が好き・・・

 佐々木道誉はそんなおしゃれヤンキー
 悪い男の匂いがちょっぴりするけどお茶目な武将だ。
 たまに寺を焼き討ちしちゃうけど、裏切りもしちゃうけど・・・よく言えば朗らか、華やかで、(私の中では)朝ドラの主人公みたいな武将。

変なセリフ IN 大河ドラマ

 そんな生き生きとした道誉を映像で見るのにおすすめなのは、やっぱり大河「太平記」
(というか南北朝時代を扱ったドラマが他に見当たらない。)

 大河ドラマ「武田信玄」といい、私はどうもセリフに反応してしまう。それもちょっと言い回しが変わっている変なセリフに。

 少年ジャンプ「逃げ上手の若君」でも存在感の強い佐々木道誉だが、大河ドラマ「太平記」の道誉だって負けていないぞ!

ということで、30年も前のドラマを今更ながら出してみる。

 太平記には北条高時高師直北畠親房など、何を考えてるか分からない人物が沢山出てくるけど、道誉は竹を割ったような性格をしている上で裏の顔を別に持っているような気配がある。(どこが朝ドラの主人公・・・?)


足利尊氏から鎌倉を奪還しようとする新田義貞に味方していた佐々木道誉が、尊氏が立ち上がったと聞き、尊氏に味方するとき。

「寝返り御免!」
大河「太平記」第34話

 馬に乗り、颯爽と駆けながらこのセリフ。
 「切り捨て御免」ではなく、「寝返り御免」。新しい。


⓶会議に道誉が出席していないことに気づいた尊氏が、家臣に道誉について尋ねる。

「佐々木殿はどうした!」
「いつもの寝返り病です」
大河「太平記」第44話

 即答。そしてまた新語をつくっている。
 しかもその後、寝返った道誉ではなく、道誉に寝返らせてしまった尊氏が家臣から責められるという。

 ちなみにこれはどちらも戦真っ只中の会話だ。

 戦中なのに、寝返りなのに、爽やか・・・な気がしてしまう、判官マジックにかかるチョロい私。

 でもやっぱり、自分に利のある方を見極め、のらりくらりとしながらもちゃんと生き残ってきた道誉には、そういう魅力もあると思う。

 「太平記」の登場人物をみているとどうしても人は「いつ死ぬのか」が大事だなと思ってしまうけれど、道誉は違う。

 「生命力を枯らさず、どこまで生きるか」が道誉の目標のような気がしてくる。

 太平記の中でも、道誉は特に最後まで生き残る。尊氏の死を見守り、足利将軍2代目義詮の政権まで支えていく。

 幕末長州で言うと、完全に「生きて大業」組だ。

判官といえば義経だけど・・・

 一般的に判官といえばどうしても義経が出てくるけど(”判官びいき”の言葉の由来になったのは義経のほう)、私には南北朝の判官もとっても魅力的。

 いつかもっと勉強して、ちゃんと紹介したいなあ。

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