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「地頭がいい」ってなに?に真っ向から答えてみる

「地頭がいい」という言葉、頻繁にってほどではないけど、数ヶ月に1回くらいは耳にする言葉ではないでしょうか。

採用の仕事なんかをしていると、欲しい人材像の定義を管理職に尋ねると「地頭がいい人」と答えが返ってくることもしばしば。

じゃあ、地頭がいいってどういうこと?

これ、人事関連のビジネス書を手に取れば必ずと言っても過言ではないほどに頻出する問いでして、人事あるあるの話なのですが、地頭がいいをちゃんとブレイクダウンして、もっと解像度の高い採用ペルソナを立てましょう!という、そんな話。

ただ今日はそんな話は別の機会に譲るとして、ちゃんととその問いに真っ向から答えて見たいと思います。人事系のビジネス書やコンサルタントはよくよく「地頭がいい、について掘り下げよう」と声高に叫ぶのですが、「答えは会社によって組織によって異なります」って回答をぼやかすケースもチラホラございまして、

今日は僕なりの解釈で「地頭がいいってなんぞや?」を整理してみたいと思います。それもザックリと。長文を書き連ねても飽きますのでシンプルにまとめます。(たぶんそういう研究や専門書もありそうな気もするので、詳しい人がいたらぜひ教えてほしいです)

結論から言うと「具体と抽象の行き来」「メタ認知」「ワーキングメモリ」の3つです。僕が地頭がいいって言うときはだいたいこの3つを指してます。

逆に、補集合として、「これは地頭がいいとはちょっと違うんだよなぁ」と思う能力をあげると、「論理思考力」「計算力」「暗記力」「知識量」とかです。知識豊富で計算得意でロジカルに話すんだけど、「地頭がいい」とは言えないな、という人も、たしかに存在します。

この3つがある人とは、シンプルに議論が弾みます。有意義なディスカッションができる。だから「地頭がいい人」を言い換えると「有意義なディスカッションができる人」なのかもしれません。

まず「具体と抽象の行き来」。

例えば、あなたが道を歩いていて、石につまずいて転んだとします。「この道はここに石があるんだ。今度通るときは気をつけよう」と考えるとが、具体の世界です。そこから抽象化してみると

「そういえば別の道でも前転んだけど、どっちも河川敷近くだな。河川敷近くの道は大きな石が埋まっていやすいのかもしれない」
「足をもっと上げて歩かないと転びやすいな。そもそも足をすって歩く変な癖があるからそれが原因かもしれない」
「久しぶりに膝を擦りむいて擦り傷ができたけど、子供の頃は傷だらけだったよなぁ。たまには外を走って少し擦り傷ができるくらいが精神的にはちょうどいいかもしれないな」

みたいに、そこから抽象化する技術により、いろんな学びのエッセンスを横展開していきます。そして実際に次にまた道を歩くときに、その学びから「河川敷近くの道は避けよう」みたいなアクションを導き出す。

具体と抽象の行き来がスムーズな人は、学びの洞察が深く、呼吸をするように仮説検証を繰り返しているので、そのせいでさらにどんどん成長して地頭が良くなる、という成長のスパイラルに突入します。

次に「メタ認知」。

ちょっと1つ目に近いのですが、さっきの例で言えば3つ目が少しメタ認知っぽいです。転んで怪我をしてる自分をまるで他人事のように俯瞰的に眺めて、そこからどういう示唆を得られるかを考えるような力。

GoogleMapの倍率をぐーんと低くして、日本列島を眺めているような見方です。

他には、
「いや、もしかしたら僕は、内心では転びたがっていて、だから道を歩いたんじゃないのか」
「統計的に見れば成人男性が道を歩いていて転ぶ確率は◯%だから、逆に貴重な体験をしたのではないか」
みたいな思考にも至るかもしれません。

最後は「ワーキングメモリ」。

わかりやすく言い換えると「短期記憶力」です。

道を歩いていて転んだことによる学びを上述しましたが、皆さんどんな内容だったか覚えていますか? これをさっと覚えていられるのがワーキングメモリ。

Aのことを考えながらBのことを考え、またAの思考に戻ってはCの話題をプラスして、またBに戻って今度はDとEを比較して、最初のAの話題との共通項を見つける….

みたいなことを、メモ帳もスマホもなしで脳内完結できちゃうような記憶力です。

ワーキングメモリが高いと、いわゆる並列思考が可能なので、純粋に思考処理が速いし、同時にたくさんのことを考えられるので、アイデアの組み合わせも思いつきやすい特長があります。

以上3つ。

「具体と抽象の行き来」「メタ認知」「ワーキングメモリ」が「地頭がいい」の正体なんじゃないか、という僕の仮説です。

もっと感覚的なイメージでいくと「高い/低い」「遠い/近い」「多い/少ない」みたいな感じ。

そして、地頭は、実は「鍛えられる」ものなんじゃないか?というのも、僕の仮説です。ワーキングメモリは結構先天要素が大きそうですが、「メタ認知」は確実に鍛えられる。たくさんの価値観のモノサシに触れて、教養を深め、自分の常識を破る体験を繰り返していれば段々と「遠い/近い」が解ってくる感覚があります。

「具体と抽象の行き来」はどうだろう? これはトレーニングで、一般的な実務能力を高めようと思ったら自然と行き着くところでもある気がします。

ここで、話を冒頭に戻して、採用ペルソナの話を持ち出せば、3つだけじゃなくもっともっと解像度上げてブレイクダウンしたほうがいいんでしょうけど、今日はここらへんで、おしまい。

「高い/低い」「遠い/近い」「多い/少ない」の地頭を示す指標を、感覚的にイメージしながら、日々鍛えられるんじゃないかっていう期待を捨てずに、今日も今日とて、仕事に励みます。


ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます! 少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひスキをお願いします!