omoi

ずっと思っていた

幼かったあの頃を。

ずっと忘れていた

暗く重く窮屈だったあの頃を。

幼かった頃の家族との夢を見て

涙が止まらなくて

朝、目が覚めた。



幼かった頃の記憶…

母はとても生真面目な人だった。

真面目に生きていれば、努力は必ず報われると

いつもそんな感じのことを言っていた。

だから僕は

頭のどこかで、心の奥で

それを守り続けていた。

スーパーに行っても

欲しいおもちゃやお菓子があっても

いらないよ、大丈夫だよと

そう言っていつも我慢していた。

重い荷物を両手に抱えながら家に帰る光景が

なんだか懐かしい。

肉は一切食べない人だったから

いつも食卓に並ぶ料理には肉は入ってなくて

なんだか物足りなかったけど

いつも美味しかったな。

手を洗ったり食器を洗ったりするのが

とっても大変そうだった。

いつも何回も何回も洗って

洗えなくて

きっと何かの病だったんだと思う。

その時は何も解ってやれなくて、ごめん。


父はよくわかんない人だった。

いつもヘラヘラしていてお調子者だけど

時々怒鳴ったり、暴力したり、なんか恐かった…

休みの日はあまり家にいなかった。

朝早くから夜遅くまでいない日もあった…

母から聞いたら、パチンコに行ってたようだった。

勝った日は

たくさんのお菓子やおもちゃと一緒に帰ってきた。

負けた日は

一体どうだったんだろう…

今思えば、うちは貧乏だった。

もちろん持ち家ではないし、かなりボロいアパートだった。

友達を家に招くのも出来なくて

小学生の頃はそれがなんだか悲しかった。

きっとパチンコで勝ったお金を

生活費やら、僕らの学費やら

いろんなことに回していたんだと思う。

今思えば、ギャンブル依存症だったのかな…

それとも本当にパチプロだったのかもしれない…

だからなおさら、時々だったけど

キャッチボールしたり、サッカーしたり

遊んでくれた時はすごく嬉しかったし、楽しかったよ。



本音を言うと、ずっと両親を恨んでいた。

こんな二人から生まれた自分だから

そんな家庭環境で過ごしていた自分だから

だから…

うつ病になってしまったんだと

うつ病になったのは両親のせいだと…

心のどこかで思っていた。


違うよ。

違う。

両親のせいなんかじゃない。

思考や感情

価値観や認知・解釈の歪みのせい…

自分のせい?

違う。

悪いのは『病気』自身だ。

うつ病だけど、自分は決して、不幸なんかじゃない。

ありのままの自分を認めよう。

良いところも悪いところも全部引っくるめて。

『ありのままの自分』がどんな人間であるかも

自分自身で決められる。

自分の生き方は

もう自分で決められる。




ありがとう。

大切なことを思い出すことが出来た

そんな少し肌寒い朝だった。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?