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そういえば、お金を「払って」書いている原稿もある

ライターなので、アウトプットが「文章」の場合は、分量にかかわらず原稿料をいただくようにしています。(逆に言うと企画料とかアドバイス料などはもらっていません)

と、いろんなところで言っていたのですが、この間、若いライターさんと話していて、
そういえば、お金をもらわずに書く原稿はないけど、お金を「払って」書いている原稿はあるなあということに気付いた。

それは、このサイト「CORECOLOR(コレカラ)」の原稿。

このサイトは個人的に運営しているサイトで、サイトの運営費やカメラマンさんへのお支払いなどは私自身がしています(ライターさんに原稿をお願いしている記事もあります)。
なので、実質的に「お金を払って書いている」と言えるかなと思います。

このサイトを立ち上げたのは、いろんな分野のクリエイターさんたちが、3.11の震災以降、どんな仕事に取り組んでいるのか、どっち方面に向かっているのか、ということを知りたかったのがきっかけです。

もちろん、「この人のお話をこのテーマで聞きたい」という企画書を、どこかの媒体に持ち込むということもできる。でも、もう少しフットワーク軽く、お話を聞いて書くことができないかなあと思ったんです。

先ほど書いたように、「いろんな分野のクリエイターさんたちが、震災以降、どんな仕事に取り組んでいるのかを知りたい」というものすごく個人的な興味からスタートしているけれど、そこで聞く話は、普遍的な話になったり、誰かの役に立ったりする話になるかもしれないとも思いました。

パーソナルサイトであるにもかかわらず、いろんな方が快くインタビューに応じてくださって、時には3〜4時間に及ぶロングインタビューをさせていただいています。

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先日取材させていただいたのは、いま公開中の映画『こんな夜更けにバナナかよ』の原作者である、渡辺一史さん。撮影は東京で。話は北海道のご自宅の近くで聞かせていただきました。

本当は映画の公開日である12月28日にアップしたかったんだけれど、渡辺さんに「これ、佐藤さんがボタン押せばすぐに公開できるの?だったらギリギリまで粘っていい?」と言われ、加筆や修正のやりとりを結構みっちりしました。
この調子だとうっかり年を越しそうだと思ったので、「お願いします。なんとか、なんとか2018年じゅうに出させてください!」とお願いし、大晦日にアップしました。
とはいえ、「この表現はあーでもない、こーでもない」「ここは譲る。そっちはヤダ」などなど、31日の深夜2時近くまで電話で確認したりしていたのです。

でも、こんなやりとりをできるのも(することになっちゃったのも)、パーソナルメディアならではといいますか……なんといいますか……大宅壮一ノンフィクション賞受賞の作家さんから、直接インタビュー原稿に赤字入れてもらった上に、アドバイスまでもらえるとか……ヘビーではありましたが、お金を払っても普通はできないとてもいい経験をさせてもらいました。

この記事は「ずどんと響いた」「この方の著作を読みます!」「何日もかけて咀嚼しながら読んだ」という感想から「1ミリも共感できない」「この人の本は絶対読みたくないと思った」「読んでぐったりした」という感想までいただいて、その両極の感想のどちらも、私が抱いた感情に近かったのが印象的でした。

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工藤瑞穂ちゃんとモリジュンヤさんには、一度ゆっくりsoarの成り立ちを聞いてみたいと思っていて。ご夫婦でお話されるのは初めてだったそう。毎日毎日いろんな人が読んでくださって、長い感想をアップしてくださる方も多い記事です。これは、写真も合わせて、すごく好き。

このサイトは、他のサイトでは文字的制限があって伝えられないところや伝えられない話題まで、じっくりゆっくり聞けたらいいなーという、なんとなくの方針が決まったのも、この取材が契機だったような気がします。

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思い入れ深いのが、こちら。飲み屋で知り合った(笑)、松岡亮さんの絵とお人柄に惚れ込んで、お願いしたインタビュー。このサイトでもっとも読まれている記事でもあるし、私自身も折に触れて読み返す記事です。このインタビューがきっかけで松岡さんの絵を購入させていただき、仕事部屋に飾っています。

もし、私が何かひとつ、自分のポートフォリオ的に取材原稿を提出してくださいと言われたら、この記事をあげるかなあというくらい、私も好きな記事です。

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いろんな媒体さんで、編集さんと相談しながら書く原稿も楽しいし勉強になるのだけれど、こうやって自分がお会いしたい人に、お伺いしたいことを聞き、取材相手の方とちょっと密な時間を過ごせるのも、いいなあと思っています。

今日もこれから、このサイトの取材に行ってきます。今年もいろんな人の、COREなCOLORを伝えられますように。


(こちらもおすすめ)


(今週のさとゆみ)
・原稿/19時間
・取材された方/2時間
・取材した方/6時間
・読書/8冊読了
『小泉進次郎と福田達夫』/『自分探しと楽しさについて』/『「やりがいのある仕事」という幻想』/『夢の叶え方を知っていますか?』/『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』など

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