見出し画像

11年を貴方に

先日、教員採用試験の一次試験が終了した。

有志が出している解答速報で自己採点をすると、結果は7割。
加点対象の点数を加算すると8割になる。まずまずの出来だ。

会場に着くまでの間、様々なことを考えた。
試験中にしんどくなってしまったら。行き道で症状が出てしまったら。
そもそも、テストをしっかり解けるのか。独学でここまで勉強してきたが、予備校等で力をつけてきた奴らに敵うのか。

様々な不安が頭を巡る中、私は受験会場に着き、無事試験を終えた。

試験中のことは何も覚えていない。
確かなことは真剣に問題に向き合い、全力を出したであろうことだ。
試験後の疲れがそれを裏付けていた。

思えば11年もの間、教員という職に憧憬を持っている。
「担任の先生に憧れた」という極々平凡な動機なのだけれど、人生でここまで長期の目標を立てたことのない私にとって大切なものであった。

その証拠に、前日の夜は一睡も出来なかった。元々緊張しいなのもあるが、滑り止めと練習も兼ねて受験した市役所の試験前日でさえここまで緊張しなかったのに、何故か目が冴えてしまった。

考えたのは、明日が自分にとって夢の舞台だということ。
持てる全力を出してなお、焦がれることになるかもしれない試験の日。

気分転換に出た深夜の散歩。
見上げた夜に、今までの自分の人生はここで終わると確信を持っていた。

終わってみれば夢の果ては、始まりだった。
目標の武道館ライブを成功させたアーティストは、こんな気持ちなのだろうなと思った。

一次試験の結果待ちではあるが、今日から二次試験に備える日々が始まる。

個人面接だから、所作や話し方などの視覚・聴覚的なことにも気を配る。
過剰に背伸びせず、内に秘めている凛とした自分を表現する。


小学校3年の頃から憧れた師の背中に、ようやく今少しだけ触れられたのかもしれない。

教育実習でその崇高さと高みを感じた師の背中を追いかけていることを、ずっと誇りに思っている。

実は不合格に日和って、師に受験していることは伝えていない。

しかし自分が合格出来たと知ったら、師はどんな顔をするだろう。

11年前過ごしたあの日々が、今の私の原動力。
人生の半分、あなたの背中1つを追い続けたと言えば驚いてくれるだろうか。

【写真】採用試験後の慰労に食べたラーメン。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?