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最期といわず、死ぬまでずっと

人生の最期に何が食べたいか、という問いがある。

最期って?その時の自分のコンディションは?それって今自分が一番好きな食べ物ベスト3とかとは違うんだよね?と思いながら、その問いを見つめていることが多い。重病に罹っている場合の「最期」だったら食べられないものが殆どであろうし、何らかの災厄が降りかかってきている場合の「最期」には選択の余地などなさそうだ。

でも、じゃあ好きな食べ物ベスト3は?と問われてもそれはそれで、「うーん、今日付けのランキングでいい?」となる。私には絶対定番の好きな食べ物、というのがないのかもしれぬ。

幼い頃は好き嫌いが大変に激しい子供だった。野菜の殆どが嫌いだったし、なにかとあれこれ食わず嫌いだったように記憶している。大きくなるにつれて少しずつ食べられるものが増え、19歳で社会人になって外食の機会もそれなりに増えた辺りで嫌いな食べ物が殆ど消滅した。

だいたいのものは何でも美味しい。だからベスト3など決めるのは難しい。でも多分私は「麺」が好きなのだ。パスタを作るときに、子がいない場合は必ず長い形状のスパゲッティとかフェットチーネなどになるし、うどん・そば・そうめん・韓国冷麺・ラーメン・焼きそば、とにかく形状が麺であれば軒並みうれしくなる。

他に好きなのは塩辛い酒のアテ。塩辛だったり酒盗だったり魚の干物、漬物・・・酒に合う肴が大好き。ところで近隣の街デンハーグにロシア食材のお店があるのだが、そこではいかくんのような魚の干物系のおつまみ(?)が大変充実している。行く度に違う種類を購入しては試しているのが今のところはずれなし。ああまた買いに行かねば。

若い頃はさほど何も思わなかったのに、大人になるにつれ「これは旨いな」となった食材もある。私の場合は、生姜・大根・牛蒡・春菊・アスパラガス・筍など。どれもこれも年々しみじみと旨い。アスパラガスといえば、ここオランダでは、ホワイトアスパラガスが初春の旬の食材で、市場やスーパーでぶっきぶきに太い新鮮なものが並ぶ。オランダ人の食べ方(茹でてハムや肉とともにソースで食べる)とは違い、炊き込みご飯にしたり生食したり、お浸しにしたりして存分に満喫する。そしてはたと気が付いた。「これはオランダにおける筍では?」それに気が付いてからはますますホワイトアスパラガスが好きになっている。でも緑のアスパラも捨てがたい。春菊は、中華系のスーパーで見かけて以来、行く度に買っているお気に入りで、鍋にぶわっと入れてわしわしと食べている。

最期といわず、死ぬまで好きなように食べて生きていたい。

今日食べたもの:
納豆巻き・平たい桃・夏野菜揚げトッピングのカレー



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