見出し画像

眉間の皺を外した後に広がる世界

こんにちは。ヨガインストラクターの吉田紗弥です。
暑い日が続きますが、コロナ明けでたくさんいろんな場所で花火大会なども行われているようですがみなさんいかがお過ごしでしょうか。
今日もヨガ哲学のお話から入っていきたいと思います。
今から約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「ヨーガスートラ」には私たちの生活をより良くしていく賢者の教えが記されております。その中から一説ご紹介します。

「アヒンサーに徹したものの側では全ての敵対が止む」

この一説はヨガの最初の教えになりますが、まずアヒンサーの「ア」は否定を表す接頭語であり、「ヒンサー」は暴力という意味になります。
なのでこの言葉は非暴力という意味になり、「非暴力に徹したものの側では全ての敵対が止む」というのです。

私たちが普段考える暴力とは、まず相手身体に危害を加える暴力。そして言葉を使って相手を傷つける暴力。これらの非暴力に関しては私たちは普段の生活の中で実践はできているかと思います。
けれどもヨガの教えではもうひとつ暴力を考えます。それが「思い」の暴力です。

イライラしたり、ムカムカしたり、キー!となって攻撃的な思いを抱いてしまうこともヨガでは暴力と考えます。

そしてこの思いの暴力が強くなると言葉の暴力に変わり、言葉の暴力が強くなると身体の暴力に変わっていきます。ですので世の中のすべの暴力はこの「思い」の暴力から始まっているのです。

イライラしている人の側ではみんなが近づきたくないと思うはずです。怒りの感情や攻撃的な思いは周りの人との繋がりを作ることが難しくなり、そこから私たちは孤独感を感じ、そして至福感を高めていくことが難しくなってきます。

逆にいうとこのアヒンサーを実践していくことで私たちは目の前に広がっている世界と繋がり、至福感を高めていくことができるはずなのです。

アヒンサーの実践の一つとしてまず「自分が攻撃的になっている」ということに意識的になるということが大事です。そして攻撃的になっていることに気づけば行動を変えていきましょう。
例えば、トイレに行く。トイレに行って水を流してみましょう。過去は水に流す、という言葉も使われるくらいです。また座ってゆっくりお茶を飲んだり、外に出て深呼吸をするなど場所や環境を変えるだけで私たちのその攻撃的な思いから少し離れることができます。

そのような非暴力の実践は意識的に怒りの感情に気づいて、行動を変えるという心掛けから始めていくことが重要なのではないでしょうか。

私のお話になるのですが、たまに私は夫と休みの日はデートをするのですが、今月の初めに代々木公園でブラジルフェスティバルというのがあるようなので、夫に行ってみないかと誘われ行ってみることになりました。

その日は土曜日でレッスンを終え、4時過ぎに原宿で待ち合わせをし原宿徒歩8分ということでそこから歩いて代々木公園まで歩いていくことになりました。
久々に原宿を降りたとき、たくさんの人で混み合っていましたが、原宿の若者の活気ある雰囲気にとてもワクワクした気分になりました。派手におしゃれをし、ピンクや緑に髪を染めて、ユニークな服を着こなし、そして海外から来たであろう観光客もちらほら見受けられ、まさにダイバーシティ。様々なバックグラウンドを持っているであろう人たちに溢れ、その活気ある雰囲気にテンション高めで代々木公園に向かいました。

場所は代々木公園のイベント広場という場所で歩いて向かい人混みもそこまで混み合うことなく、緑がおおく道も開けてイベント会場らしき場所につきました。
周りはイベントの特設会場のような場所と開けた広場のようなただっ広い場所で、
屋台や出店がたくさん並んでいます。
よくよくみてみると、ブラジル人の人たちというよりは小麦色に日焼けをした若者が多く、サーフボードや水着などを売っており、またスムージーやかき氷、ホットドックの屋台が並び、ターコイズなどのアクセサリーを売っているお店などが並んでいます。

ブラジルの国旗などは見当たらず、ブラジル独特のお土産なども売っておらず、場所が違うのではないかとその場を見ながら代々木の方へ向かって進んでいても、何か違うなと思いつつ歩き続けました。

しかしその日は曇りの天気で下が湿気も多く、歩いているとじんわり汗をかき始め、履いていたジーンズに汗がまとわりつくような感じで、その暑さに少々疲れを感じ始めます。

そしてスタジオ帰りだったのもあり持っていたリュックの中にはお弁当箱やタンブラー、ヨガウエアなどが入っておりそのリュックも重く感じるようになりました。

HPを確認するも場所は間違っていないようでしたが、Googleマップにはその場所を指していそうなのに、そのブラジルのイベントらしきものも見当たらず地図が指す場所が正確に分からなくなってきました。

そのイベント会場はかなり広く、この場所で間違っているかもしれないからちょっと先まで歩こうと夫が言い始めたのですが、暑さもあり、リュックの重さとそして若干お腹が空いてきているのもあり、沸々とイライラが湧き始めてきました。

人間というのは空腹時は感情が不安定になるのでしょう。さっきまでのワクワクさが次第に消え始め、空腹と暑さと疲れで次第に会話が少なくなり、まだ先へ進もうとする夫に「ちょっと下手に動くと疲れるだけだよー」と投げやりな態度になり、次第にお互い無言で歩き、歩くのが億劫になってゆき、夫との物理的な距離も心の距離も出てき始めます。
なんだか冷戦状態といったような気まずさで眉間の皺が増えるような感覚が続いていきます。

そしてイライラが募り、嫌な予感がし、
「ちょっともう一度HP見てみようよ」と不貞腐れ気味で夫に声をかけ再度HPを確認したのです。
すると

イベントの日付がなんと来週ではありませんか!

よくみるとちょうどこの日はブラジルフェスティバルではなくオーシャンピープルという海好きが集まるイベントでした。イライラを通り越し呆れて疲れ声も出ず、チラッと夫を見ると夫はやってしまったと言ったような気まずい表情をしています。
とりあえず休もうとベンチで座り少し時間を置いていると、「イライラしていた」と気づいた途端、「しょーがない、せっかく原宿に来たんだから美味しいものでも食べよう」と気持ちを切り替え、笑顔でいうと夫も食べログで原宿駅のレストランを探し始めました。そして次第にそのイライラやもどかしい気持ちが収まるのが感じられました。

そしてたまたま見つけた自然派インド料理の店が出てきたので行ってみることにしたのです。
気持ちを切り替え表参道の方へ向かって進んでいくと、また若者の活気と賑やかなたくさんの路面店にワクワクし始め、20代にたくさん遊んだ日々も思い出され、さっきまで感じていたイライラはどこかへなくなるようになっていきました。

そしてその自然派インド料理やさんに入ってみると、
中は涼しくレストランの内部はまるでインドに来たかのような、インテリアやヨガ哲学に出てくる神様の置き物やバガバットギーターの一部を描いた砂絵まで飾ってあり、メニューも自然派ということもあり、オーガニックやヴィーガン仕様の身体に良さそうなものばかり。
そして店員さんも明るく丁寧に接してくれもちろんお料理も絶品!
私のテンションはMAXにあがり本当にインドにいるような空間の中でブラジルの代わりにインドに旅行に来たような至福感を得ることができたのです!

その日のデートはハッピーエンドで終わることができ、さらに翌週はちゃんとブラジルフェスティバルへ行き、ブラジルのお料理、アサイーなどを堪能し、しかもそこでたまたま大好きなお笑い芸人さんに遭遇し一緒に写真を撮るというラッキーな出来事を体験することになりました。結果週を間違えてよかったのかもと思えたのです。
ちょっとしたことからイライラの感情に流され、しかしからその感情に気づき、引きずることなくその場を楽しもうと意識的に行動した時、2週連続、原宿のデートを楽しむことができたのです。

私たちは日常生活の中で、目の前に広がる世界が自分の思わぬ方向に進もうとした時、攻撃的な思いや怒りの感情を抱き、その世界から繋がりを絶とうとしてしまう時があります。けれども、その世界に対して怒りを大きくしてしますのではなく、その攻撃的な思いに気づき、意識的になり行動を変えてくことで私たちは世界と繋がりを作っていくことができるはずです。

まるで大きな純白の羽を広げ、目の前の世界を受け入れていく白鳥のように、私たちも目の前の世界を愛を持って受け入れ、人生の可能性を広げていくことにしましょう!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?