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『読書する人だけがたどり着ける場所』

最近はずっと、齋藤孝先生に良い刺激をもらっている。例えば、この本もそのきっかけの一つ。

実は、社会人になってから小説を読む時間が一気に減っていた。読書時間そのものは確保するようにしていたが、何となく「仕事につながるようなビジネス書や教養や知識(雑学)が得られる書籍」を読んでいないといけない気がして、小説を読む時間が後ろめたいという気持ちがどこかにあった。そのことについて、あまり真剣に考えたことは無かったけれど、小説は完全に趣味であって、役には立たないと思い込んでいたように思う。そんな思いを斎藤氏は綺麗に払拭してくれた。しっかりと小説も読め、味わえと。

思い返せば、確かに人生におけるバイブルは小説が大半だ。大げさかもしれないけれど、確かに自分の人格や人となり、考え方の中にこれまで出会ってきた小説の存在がある。そして、そういったものが人間味にもなるし、場合によっては徳まで昇華するのだろう。

なぜ忘れていたんだろう。

そんなわけで、今は小説を読もう月間に設定している。もちろん、齋藤先生は小説だけを進めているわけではない。かみ砕いたガイド本や要点だけをまとめたハウツー本ではなく、小説でもノンフィクションでも「本物」に触れるように、と書かれている。中でも何百年も受け継がれている「古典」は間違いなく本物であるとも述べられていて、なるほどと納得した。少し自分にはハードルが高く感じる書物も、秋の夜長には良いかもしれない。

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