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10億人が「移民」になる未来で求められる新しい都市の在り方とは?

こんにちは,SDGs×PRプランナーのさやです!

今日は「移民」について考えてみます。移民というと,紛争や戦争をイメージされる方も多いでしょう。事実,紛争などで住んでいる場所を追われ,移民になる人も多くいます。ただし,原因は紛争だけではありません。

環境要因です。水問題や海面の上昇,干ばつ,異常気象などにより,住む場所を追われる人も多くいるのです。国連大学の記事によると,2050年までに10億人が移民になるという衝撃の予想も打ち出されています。

2050年までに10億人が、水や気候関連の問題、そして紛争が重なることにより、自らの意志ではなくやむを得ない選択として移動を強いられることになる。

バングラディシュの事例

今後も増え続けると予想される環境移民に対して,どのような対策を講じていくべきなのか,すでにその答えを実現している場所があります。

それが,バングラディシュのモングラ群です。ベンガル湾に位置する工業地帯です。洪水対策として防御壁を設置したり,数千本の植樹をしたりと環境対策を積極的に行っています。

このような気候対策をしている都市や場所は他にもたくさんありますが,ユニークなのは,「移民に優しい」都市を目指しているというビジョンです。

通常,住む場所を追われた移民の多くは首都に流れます。バングラディシュの首都はダッカですが,移民がどんどんダッカに流れてしまうと,首都の負担が非常に重くなってしまいます。そこで,研究者たちがダッカ以外に,レジリエントな都市を作ることで,移民を分散させることにしたのです。

気候変動にさらされているのは,何も発展途上国だけではありません。イギリスはウェールズ沿岸地域が,海面上昇の危機にあり,イギリス政府がどのような対応をするかが注目されています。また,アメリカでは2100年までに,テキサス州だけで約150万人の他州から流入してくる移民を受け入れることになるという予想もあります。

新しい都市への取り組み

2019年にはロサンゼルス・チューリッヒ・ミラノ・ブリストルなど世界の10都市からなる市長移民協議会が結成されました。国際規模の難民・移民政策を地域規模に落とし込むことが目的です。移民の増加は,都市の在り方・地域構造の在り方を根本的に変える可能性があります。魅力的な都市とは,安全性の高さやインフラの充実などという従来の基準に加えて,環境に対するレジリエンスの高さという基準が加わってくるでしょう。

移民の増加を見据えた上で,都市を設計することが新しいスタンダードです。



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