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(感想)知らないから触れないのではなく、知ろうと触れる

(以下、筆者Xアカウントより転記)

4/19に映画『戦雲 -いくさふむ-』鑑賞。沖縄・南西諸島の急速な軍事要塞化を8年に渡って取材したドキュメンタリー。映像は想像以上に、沖縄に暮らす人々の生活を伝えていた。カジキ漁、牧畜、祭り、踊り、歌。人々のすぐそばにミサイルが運び込まれる。畑の前に基地ができる。昼も夜も銃声が聞こえる。

石垣駐屯地の入り口に立つ自衛隊員に語りかける、山里節子さんの言葉を聞いて泣いてしまった。どうして、この人にこんな悲しい言葉を言わせなければならないんだろう。何も知らないでいたことが申し訳ない。私も、軍事の問題を沖縄に押しつけてしまっている多数のうちの一人だ。

与那国島、石垣島、宮古島、沖縄本島と、これはどこで起きていることなのかがわからなくなるくらいに、各地でいくつもの物事が並行して進んでいる。私ではとてもまとめられない。多くの住民が、自分達の未来のために、意見を言い、行動している。

もちろん、反対している人だけではない。様々な考え方があり、その全てを反映はできない。けれども、説明と違う、聞かされていないことが行われる、住民投票の結果すら取り消されるなど、あまりにも民意が無視されている状況はおかしい。

上映後に三上監督による舞台挨拶があった。監督は映画を観ることで「当事者」になってほしいと言われていた。これは何も沖縄に限った話ではないのだ。三上監督のお話は興味深く、もっと聴いていたかった。そう感じるお話を聴ける機会があったことに感謝です。

度々登場するカジキ漁師の「川田のおじい」が独特のキャラクターで、ミサイル配備に反対しているわけではない彼の存在が、うまく言えないがこの映画をより深めているような気がした。カジキとの戦いなので「老人と海」?と思ったら、監督によると映画版のオマージュだそうです。

文章がぎこちないのは、この問題についてよく知らないからだと思います。でも、知らないから触れないという態度は違うと思うので、知ろうとしてこなかった反省も兼ねて残します。


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