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(感想)挑戦に見た可能性

(以下、筆者Xアカウントより転記)

姫川あゆり企画第1回公演『喫茶エーデルワイス』鑑賞。姫川あゆりによる一人芝居。喫茶店を営む薄雪想子には、幽霊が見える。喫茶店を訪れる幽霊達の話を聞き、彼らの抱える心残りをはらそうとする彼女は、なぜそのようなことをしているのか。訪れる客の事情は少しずつ関連しあい、やがて想子に及ぶ。

こちらの推察どおりには進まない物語に意表を突かれた。簡単ではないトピックも含まれており、その扱いを含めて、脚本として細部を詰めていけばもっと良くなるだろうと思えた。

一人芝居であるが、会話のみならず、ダンスを得意とする姫川の動きなども交えながら観客を引きつけていた。会場はスタジオであったが、元からあるキッチンも使って喫茶店とするなど、場の使い方にも工夫が凝らされていた。

(追記)演者の実力以外の事項が観点になりすぎるのもどうかと思いはするのだが、姫川は現在、高校2年生である。幼い頃からダンスを習い、表現力を磨いてきたという背景はあるが、17歳という若さで地元を飛び出し、隣県にて一人芝居を企画する行動力と積極性には感心しきりである。

それは若さのなせる技なのかもしれないが、今できることを今やろうという、彼女の精一杯の形なのだと思う。姫川の持つ可能性に満ちた一人芝居だった。


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