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詩・たぶん泣く

何の味もしない日々に
全部持ってかれた
じわじわと奪われる
生命と感受性
やり場のない感情で
血管が焼け焦げそう

舌が動かぬ口に
キャラメルサイズの肉
喉の渇きにストローで
ちびちび飲む水

満足感には程遠い

よくも打ちのめしてくれたな
数々の屈辱を悔しさを悲しみを
私はずっと忘れない

というわけで
いい人のフリは
やめました

病の背中に
ドロップキックを

心無い言葉に
かかと落としを

何の味もしない日々に
延髄切りを

すさんだ心に
あたたかなハグを

元の体を取り戻す
死刑宣告のあの日から
あきらめたことは
一度もない

それは言い過ぎた
消えてしまいたいと
弱気にもなった

とにかく
治った体で死ぬほど
焼肉を食べたい

その時はきっと
たぶん泣く

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