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小学校教諭・理科・メタ認知・自己調整学習・自己決定理論・可視化・エージェンシー・探究・…

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小学校教諭・理科・メタ認知・自己調整学習・自己決定理論・可視化・エージェンシー・探究・TAKT授業・愛のある批判

最近の記事

「ありのままでいいよ」と「ありのままではいけないよ」のあいだ

ぜひ面白いのであすこまさんの記事を読んでいただけたらと思っています。 多様性という言葉が教育現場で多く使われるようになってきました。 ただ、この多様性という言葉が非常に厄介なんです。 勉強しないことも多様性の中に包括されてしまうから。 目の前で学ばないという選択をしている子がいたときに、皆さんはどうしますか? 授業参観に行って、学んでいない子がいたときに皆さんはどう思いますか? 違和感がありますか? それとも、多様性の中で、学ばないことも認められていることに居心地の

    • 我が子が困っているときにどうやって学校に電話したらいいのか 

      私は小学校教諭でありながら、小学生の子どもの保護者でもあります。 妻から 「子どもの学校でこんなことがあったみたい」 「あの子、大変らしいよ」 なんて話を聞くことがあります。 なんとなく話を聞いていると、どうやらAちゃんが大変らしいのです。 とにかくAちゃんが意地悪だと。 こんな話ありませんか? その話をよくよく聞いていくと、妻はAちゃんと合わなかったBちゃんやCちゃんのお母さんから話を聞いているようなのです。 学校でもあります。 Bちゃんの立場のお母さんから連絡が

      • 100点の人に拍手するのってどうなの?

        友人の先生がこんな投稿をしていました。 皆さんはどう思われますか? 私は何日か“もやっと”しました。 初めは、かしこさの定義がテストの点数だけだから違和感があるのかな?と感じました。ほら、人間のかしこさって、テストの点数だけでは決まらないところありますよね。人に優しかったり、努力できたり、粘り強かったり、自分の気持ちコントロールできたり、ゆったりと全体を眺められたり。 そんな多様なかしこさではなく、テストという結果だけにフォーカスした評価だから違和感があるのかな? 「今

        • 自己調整学習における「科学的」とは

           2月9日の研究発表会で、参会者の方から「理科では、教科の本質にせまるために、科学的な実験、再現性、客観性、実証性を求めた方がいいと思いました。」というご意見を頂きました。こうやって意見を頂き、問いが生まれることは本当にありがたい限りです。大前提として、私自身も「科学的」をとても大切にしています。 科学的とはなにか学習指導要領解説を見てみると下の図のようになります。 ご意見の中にもあった再現性、客観性、実証性の3つがポイントになります。 教科の本質に迫る目的は何か 自己調

        「ありのままでいいよ」と「ありのままではいけないよ」のあいだ

        • 我が子が困っているときにどうやって学校に電話したらいいのか 

        • 100点の人に拍手するのってどうなの?

        • 自己調整学習における「科学的」とは

          理科における「個別最適な学び」とは?〜一人一実験への挑戦〜

          きっかけは子どもの姿「先生、わかったで。ノート楽しみにしててね」  2学期に理科が大好きなAくんが一週間休むことがあった。Aくんのグループでは、Aくんがいつも中心になって理科の学習を引っ張ってくれていた。だから、私は心の中で少し不安になっていたんです。「大丈夫かな?」「Aくんがいなかったら誰が舵を切るのかな?」なんてことを思いながら、どんなかたちになっても温かく見守ろうと思っていました。  2時間の理科の授業の終わり、Aちゃんと同じグループのBちゃんが私に声をかけてくれまし

          理科における「個別最適な学び」とは?〜一人一実験への挑戦〜

          自己調整学習って名前の「ほったらかし」になってない?

          「先生は何もしないのですか」 授業を見に来た若い先生が、「この授業は先生は何もしないのですか?」と批判的に声をかけてくれました。授業を見て「ほったらかしになってしまうのではないか」「ほったらかしとはどう違うのか」という声も耳にすることがあります。今回は、私なりに考えている「ほったらかし」にならないために大切なことについて書いていきたいと思います。 自己内評価基準 まず、自己調整学習において重要になってくるのが「本当にこの方法でいいの?」「今のペースで間に合う?」「このクオリ

          自己調整学習って名前の「ほったらかし」になってない?

          「振り返り」の価値

           前回は「見通し」の価値について書いたので、今回は「振り返り」について書いてみたいと思います。 「振り返り」と私の出合い 教員になって4年目に岩瀬直樹氏の実践と出合ったのが「振り返り」との出合いでした。 「振り返りジャーナル」の実践を真似して、とりあえず始めたのがきっかけ。  この本の中では、初めは先生がテーマを与えて、子どもが「見通し」をもって1日意識して過ごすことの重要性や、成長のサイクルを生み出していくことで「振り返りジャーナル」の中で明日への見通しをもつようになる

          「振り返り」の価値

          見通しの価値

          研究会で若手の先生から頂いた質問1年間の研究発表会を先週行ったが、そこで若手の先生に 『何人かの子どもに「見通しはなんで書いているの?」と聞いたら、どの子もそれぞれの考えを教えてくれました。私のクラスの子に聞いても答えられなくて、どのように価値を指導してきたのですか」 と質問していただきました。 そこで、「見通し」の価値について話をしていきたいと思います。 見通しの役割自己調整学習していくためには、見通し(Anticipation)⇨行動(Action)⇨振り返り(Re

          見通しの価値

          熊本大学教育学部附属小学校研究発表会

          熊本大学教育学部附属小学校研究発表会で理科の授業2本と討議会に参加してきました。 「その教材が子供の学習に適しているのか」が討議会では大きなテーマになりました。 理科の場合、教材研究がかなり大きな要素になることはみなさんも納得されるところであると思います。教材に対する理解がなければ、現象に目がいく子どもたちを科学の世界へと誘うことは難しいのです。 例えば、4年生のもののあたたまり方の単元では、素朴試行でものをあたためたときに、「スプーンがあたたまった」という子どもの言葉

          熊本大学教育学部附属小学校研究発表会

          自己紹介

          小学校教諭10年目で理科教育の研究を中心に、自己調整学習について研究をしています。特にメタ認知について研究をしています。 「理論なき実践は盲目であり、実践なき理論は空虚である」というイマヌエル・カントの言葉を大切にしており、学校教育においても理論のある実践を心がけています。 もちろん、理論より実践より何より、まず初めに子どもありきであることは絶対ですが。 個人情報の性質上、ここでは子どもの姿はできるだけ描かずに書いていく予定です。これから少しずつ、自分の実践や大切にしてい

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