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【読書記録#1】花束は毒

▷花束は毒【織守きょうやさん】
先週の王様のブランチにて新刊情報で特集されていた【隣人を疑うなかれ】という小説が面白そうで、その方の代表作から読み始めることにしました。
ネタバレに繋がるかと思います。

【 あらすじ 】
 法学部学生の木瀬芳樹はかつて家庭教師でお世話になった元医学生の真壁と偶然再会し、泥酔した真壁を家へ送り届けた際にゴミ箱に捨てられた脅迫文を目撃。結婚を控えた真壁は大げさにしたくないと言うが、真壁のことが心配で探偵を雇い、脅迫文の調査を依頼することを説得。探偵事務所を訪れると中学生時代に別の件で依頼した北見理香がいて、協力しながら調査を始めるのだが、真壁は脅迫者を追求できない理由があったことがわかりー。

【 感 想 】
①木瀬と探偵見習の北見との中学時代の出会い
 冒頭では出会いが描かれ、ある事件の依頼を解決に導いた探偵のことを深く刻む主人公の姿が見受けられます。わずか数ページの冒頭ではありますが、私は物語に吸い込まれていきました…
 いじめから解放された従兄が加害者側の親が俯きながら学校を去る姿見て、口元に笑みを浮かべた描写がありました。この姿をみて、その姿を知りたくなかったと探偵に伝える場面から正義感の強い主人公ということが分かります。探偵の調査力と行動に感心しながら私は読んでました…

②依頼を持ち込む木瀬と再会する探偵
 まさか訪れた探偵事務所に北見先輩がいて担当だなんて運命的、と思いながらそうしないと物語が進まないよな、と脳内で冷静に自答。
 ここから依頼の内容と背景が描かれ、小説の面白さが始まりました。

③誰が脅迫者で、真壁は何を秘めているのか
調査メインの話は少し長いですが、飽きずに読み進められます。
割と早めの展開で真壁の秘密が明かされていますが、それが事実かフェイクか想像しながら読みますが、どっちなんだ?と悩みました。
そいて読み進めるうちに脅迫文を送っているのはあの人だったら恐ろしいな、と思っていましたが外れました。
想像していない展開だったので、朝に読み終えて安心。

むすび
 初めて織守さんの小説読みましたが、導入や物語の進み具合も私には読みやすく感じました。結末は少々もやっとするものの、それがあの登場人物の不快さを助長しているのかな、と勝手に推測してます。
 サクセスストーリーではなく、人の深い闇を感じたくなったら、再びこの作者の小説を手にとっていると思います◎


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