映画「226」

毎週土曜日、特に用事がなければ、Amazon primeで、ちょっと暗めの映画を観ることにしている。土曜日ならば、翌日1日使って「楽しいこと」をできるし、そもそも夜更かしして「立て直し映画」 を観ることができるからね。10年以上前、大学生の頃にクリストファー・ウォーケンのイケメン顔につられて「ディアハンター」を観て、そのまま沈んだ経験があるので、沈むとわかっている映画を観るにはそれなりの準備をしているのだ。さすがに、映画観て気分が落ちたので仕事休みます、はできないもの。

さて、今日は「226」を観た。私が産まれた翌年の映画で、ちょっと古いのだが、これが思ったよりも沈まない。一般市民が戦争に巻き込まれるとか、社会の不条理とかそういう描写が少ないからか?まぁ、でも本当の理由はわかっている。「誰が誰だかわからない!おかげで最後まで大混乱!!」これに尽きるのだ・・・

初登場の時に、字幕つけてくれればいいのに、せめてお互い名前で何度も呼び合ってくれればいいのに、そういうのが一切ない不親切仕様。なので言動と軍服で見分けるしかないんだが、なにせ私はもともと、磯部・村中・安藤・栗原・中橋しか覚えていない女なので、決起失敗後、青年将校たちが揃って家族の顔を思い浮かべるそのエピソードで「赤ちゃんができたってことは・・・えっと、輸送係だった人かな・・・?(名前は覚えていない)」と、やっとこさ、誰なのかがわかる。最終的にはWikipediaで調べながら、「佐野史郎・・・まさかとは思うが、栗原じゃなかろうね・・・首相官邸組だし・・・うわー!!本当に栗原だった〜!」と映画を観る始末。えらく新婚押しをしていた青年将校は最後まで誰かわからなかった。(坂井直だった。)陸軍高官に至っては結局「どちら様?」状態で終わっちゃったよ・・・そして、映画なので一部史実と違う。てか、あの流れだと安藤大尉、一回死んでもう一回銃殺されたっぽいことに。

ま、あれです。この映画の最大の見所は「軍服コート肩掛けのかっこよさ」ですね。若い頃の鶴見辰吾と石橋保ともっくんの軍服姿のまーかっこいいこと、かっこいいこと。まことに眼福である。石橋保は「ガメラ2」でも陸自の制服姿を披露してくれているが、こっちの方もかっこいい。そして、最後のエンドロールが黒背景にピンク文字でぶったまげた。それまでのムードぶち壊しである。あと、栗原が佐野史郎だったことと、映画が野中・安藤・河野の3人にフォーカスしてたのが不満っちゃ不満。中橋の赤マント、もっとしっかり拝みたかった・・・!栗原なんぞ一応奥さんいるのに、回想シーンに出てこないし。奥様かわいそう・・・因みに、もっくんがすっかり弟キャラになってて、蹶起将校のなかで一番若そうにみえるけど、実際のところは佐野史郎(栗原)より階級高いし、歳も一つ上だからね。惑わされないように。

いずれにしても、二・二六事件について、ちょっと詳しめに知らないと、「軍服かっこいー」しか言えない映画だと思います。まぁ、それでも十分見る価値はあるんですけど。

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