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東北大生の実習(理学部生物学科・野外実習編)

東北大学 サイエンス・アンバサダー(SA)のまっきーです!
理学部生物学科(通称りなま)出身、生命科学研究科のM2です。
理系の大学生は様々な実習を履修します。学部学科ごとに内容は本当に様々です。
今回から数回に渡って、SAが履修してきた実習について、お伝えしたいと思います!

今回は、私が履修した生物系の野外実習についてご紹介します。(実習内容は、その当時のものであり、現在は内容が変わっている可能性があります)

①学部1年夏 海洋生物学実習1

この実習は、青森県の浅虫に行き、海の生き物を扱って実習を行います。
東北大学の施設(浅虫海洋生物学教育研究センター)で泊まりがけの実習です。
実習内容としては、
・ウニの初期胚の観察
・潮間帯の生き物の観察(巻き貝など)
・青森港のプランクトンの観察
・自分でテーマを決めて、実験をする

などでした。夕日がとても綺麗でした。

夕日がとても綺麗です
ハスノハカシパン(ウニの一種)の発生を観察しました


施設の目の前にある潮間帯で調査を行います

②学部2年夏 植物生態学実習

この実習は、青森の八甲田山にて泊まりがけで行われます。
東北大学の植物園分園が酸ヶ湯温泉のすぐそばにあります。分園の横には、実習生が滞在できる宿舎があり、そちらで同級生・先生と寝食を共にして、野外調査に勤しみます。
実習内容としては
・八甲田山の植生調査
・八甲田山近辺の植生調査(木の幹の太さを測定・植物種数調査)
です

調査後は、各班ごとにデータを元に考察を行い、実習後にプレゼンテーションを行いました。
夜遅くまで同じ班の人と宿舎で熱く議論し、考察しました。
また合宿のような雰囲気もあり、宿舎の食堂で夜な夜な生物談義に花が咲いたのも良い思い出です。

八甲田山周辺は湿地が広がっています
区画調査を行った湿原
極相林の中で、倒木によって生じたギャップ

③学部2年夏・冬 植物系統分類学実習

この実習は、青森の八甲田山と東北大学川内キャンパスで行われました。(植物生態学実習同様、宿舎に宿泊します)
本実習では、植物を採取し、種を同定して、標本を作成する、という一連の流れを経験しました。
実習内容としては
1、青森市内で植物を採取
2、八甲田の宿舎で乾燥・標本化
3、川内キャンパスの植物園にて、標本庫の標本と比較して、種の同定
4、川内キャンパスの植物園の津田記念館に収納する(標本を台紙に貼る)
です。
川内キャンパスでの作業は、12月に入ってから行いました。
東北大学植物園の津田記念館は、植物園のHPによると、「日本一大きい植物標本館」だそうです。実際かなり大きく、収蔵されている植物標本も様々なものがありました。

過去に収蔵された標本を参考に、種の同定作業を行ったので、研究は「巨人の肩の上に立つ」=「過去の研究と地続きである」ということを実感する、素晴らしい機会でした。

標本採集の様子
重石を乗せて数ヶ月乾燥させます

④学部2年夏 動物生態学実習

仙台市沿岸部は3.11で甚大な津波被害を受けました。その津波の影響で、一部沿岸部では新たに干潟ができ、その干潟には様々な動物・植物が集まるようになりました。
自然現象による撹乱が、その地域の動植物の多様性にどう影響を及ぼすのかを生物学科の先生方は継続調査を行なっており、実習ではその調査の一部を行いました。

実習内容としては
・干潟の生物種の継続調査
・エイの食み跡の調査
などでした。

新たな環境にも定着する、生物のたくましさに圧倒された実習でした。

水たまりに見えるところはエイの食み跡です
干潟での調査風景

今回は、東北大学生物学科の野外実習について紹介しました!

全国の大学には野外演習を「公開森林演習」「公開臨海実習」として、学内外問わず、大学生を対象として開講している大学もあります。授業料の徴収はなく(要申請)、単位互換も実習によっては可能です。
東北大学の場合、浅虫にて「公開臨海実習」が開講されています!
詳しい情報は、理学部の掲示板にポスターが毎年掲示されているので、そちらを是非確認してみてください。

参考サイト
全国大学演習林協議会 2022年度 公開森林演習

全国臨海・臨湖実験所所長会議 2022年全国公開実習の予定

記事へのコメントやSAへの質問は、いつでもこちらのフォームよりお待ちしております。

編集後記
学部時代、研究室配属されるまでの3年間は、毎年夏は実習のために青森(浅虫か八甲田)で過ごしていました。青森のりんごジュース、りんごチップスが大好きになったのですが、好きな商品は仙台ではなかなか手に入りません…記事を執筆しながら、恋しくなりました。また青森に行きたいです。

東北大学サイエンス・アンバサダー(旧サイエンス・エンジェル)
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「科学って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。2021年度より、自然科学に加え人文・社会科学も含めた科学分野としての活動がスタート。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。2022年度より、サイエンス・アンバサダーへ名称が変更。


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