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地中海ダイエットのパワー

健康長寿のために、何を食べて何を避ければいいのか、さまざまな情報が氾濫している。けれどもそれぞれの素材は何百何千の栄養素があって、素材の組み合わせや量によって効果は変わる。さらに人体は非常に複雑にできていて、人によって個人差があるので、バランスよい栄養が相乗効果を高めながら身体に寄与するメカニズムは計り知れないほど複雑だ。

ケトン食やヴィーガン食、マクロバイオティックスやヴェジタリアンと言っても、素材の組み合わせ方や食べ合わせ、消化や酵素の個人差によって結果は変わってくる。ある人にとってケトン食が最高であっても、別の個人にとっては効果がない。

そんな中で、地中海ダイエットについての興味深い研究結果がある。
これは十分な数の被験者(7,000人)を三つのグループに分けて、(1) 毎週1リットルのオリーブ油を提供してこれを消費するようにさせる。(2) 毎週アーモンドやカシューなどのナッツ類を提供し、毎日28グラムづつ食べるようにさせる (3)カロリーを抑えた食事で、魚やナッツ類、トマトソースは食べないようにさせる。

この実験は6年間に渡って実施されるはずだったが、その結果4年半で一目瞭然だったので、継続しても付加価値はないとして中止された。その結果とはこれだ。

1番目と2番目のグループは、3番目のグループに比べて心臓疾患とその他の疾患による死亡率が30%も低かった。その歴然とした差に、これ以上実験をすすめるのはエシカルではないと判断され、実験は中止されたという

地中海ダイエットは、肉を減らして魚介類を多く取り、新鮮な野菜や果物をふんだんに摂取する食事法で、豆類、ナッツ類、オリーブ油を多く使った食事に代表される。

イタリアのサーディニアやギリシャの多くの地方では、100歳を超えてなお元気に歩ける体で生活している人が多いことで知られている。

もちろんそこにはコミュニティとのつながりや、坂道が多いために普段から足腰が鍛えられるなどの他の長寿要素はあるものの、地中海ダイエットのパワーは決して否定できない。





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