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無職の金づるの職探し

なぜペテ子の男が無職だと知ったかというのは、こんなことがあったからだ。

S急便の、人当たりのいい兄さんがペテ子の家に配達に来た時のこと。


ペテ子の家に誰かが来ると、インターフォンの音で犬が吠え散らかすので、
誰かが来たのがすぐに分かる。


なので私は、

キタキタキタ!!(笑)
と、インターフォンまで走って、ニヤニヤしながらやり取りを聞くのだ。


だって、面白いキレ散らかし現場を一瞬たりとも、逃がしたくないじゃないか。


S急便の兄さんは、愛想がよくペテ子のご機嫌を損ねることはしないので、訪問者の中では珍しくペテ子に好かれている。


そんな兄さんだから、
ペテ子はいつもバカでかい声で、キャッキャ言いながら上機嫌に喋っているのだが、

その日は、部屋の奥に無職の金づるがいた。


買い物を渋るようになったんだろうか?

「S急便って給料どう?結構もらえるの?」
と、仕事の話を聞き出していた。

「僕は個人でやってるので~」みたいな話を兄さんはしていて、
頑張ればそれなりにお金にはなるんですけど。


とか話していた。


そして、ペテ子が、


「60の男性だと体力的にキツイよねぇ?」


と言っており、

そこで、
あいつ60なんだ!!しかも無職だったんだ!
そんでカーペットとか犬用バギーとか買わされてやんの!!(笑)


と、ファッ!!という笑い声が漏れてしまった。
窓際だったら危なく聞こえてるとこだった。危ない危ない。


結局仕事の話は、60の男では体力的に難しい。と、途中で終わったが、
無職の男を働かせて、自分は生活保護でまた何かを買わせようとたくらんでいるんだな。と、


どこまで汚ねぇ女なんだ!!

と思ったが、
無職の金づるに一切の同情はしなかった。

まんまと騙されたあんたが悪い。
サソリのクールさが出てしまった。


言っておくが、私が非情なわけではない。
サソリ座の人間は愛情深い面もあるので、男女ともに、大好きな人にはとことん優しく情をかけるのだ。


ただ、嫌いになった時は、恐ろしいほどに非情になるのも否定はしない。



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