ペテ子は、いつの日も元気よくライバーとして朝から喋り倒していた。

収益を得るのだから毎日元気よく！は当然だろう。

だいたい朝配信することが多かったが、
その中でも笑った配信がある。

普段、ペテ子は平均7~8人、謎に視聴者？がいたが、
その日はたまたま少なかったのか、
喋ることもなくただただ、細い目をさらに細くして
眠そうな顔でテレビを観ている場面だった。

誰か入ってきたか確認のため、
チラッチラ画面を覗くが、誰も入ってこない。

ただこちらは、テレビを観るペテ子の横顔を見せつけられるのだが、
加工をしているので、口紅のエフェクトが、
頬でビルビルと小刻みに揺れている。

キッショ。

と思いながらも、その今にも寝そうな顔を見て、
また声を殺して笑った。

そのうち、ペテ子は居眠りを始めた。

あ～あ～ついに寝ちまったよ。消せよ。
と思いつつ、しばらくそのライブ配信を観ていると、
一人の男性らしき人が入ってきた。

「ここは、居眠りしているのを見せられるところなのか？」

一言チャットで投げかけてすぐにいなくなった。

人が入ってこないので、しばらくそのチャットは流れないままそこに残っていたが、ペテ子は起きない。

時々、居眠り配信している人はいるけど、
ペテ子の寝顔といびきは、放送事故だと思った。

ずっと、ペテ子の頬らへんで、
唇のエフェクトが、ビルビルビルビル動いて気色悪いし、
寝顔なんて見たくもない。（けど面白から見てしまう）

そして、お目覚めになったペテ子は、
誰も観に来ていない配信を打ち切った。

あの男性のコメントは読まれることはなかった。

だいたいペテ子のところに来ている人は、
犬好きの人か、どこかのおっさんか。

どうやらそのおっさんの一人と、
その後直接やり取りをしているような、
そんな会話もちょいちょい聞こえてきた。

覚えている限りでその話も書いていこうと思う。