SCRAPT

今のところ韻踏み夫と吉田雅史を中心とするヒップホップ/日本語ラップ批評ユニット。

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最近の記事

批評はLife Style −『歌というフィクション』をめぐる対話 pt.1− (対談:伏見瞬+韻踏み夫)

韻踏み夫(I) 伏見瞬(F) 吉田雅史(Y) I:本日は伏見瞬さんをSCRAPTという無名のnoteアカウントにお招きして対談を取らせていただけるということで、ありがとうございます。まず、このSCRAPTは、いま収録にも同席している吉田雅史と僕が日本語ラップ批評を気軽に書ける場を、ということで去年立ち上げたものです。更新頻度などお恥ずかしいもので、現状われわれ二人が思いついたときに文章をアップしているだけですが、本当は原稿持ち込みとか待ってるぜと思っているし、いろんな人を

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    • 日本語ラップは革命の夢を見るか ~小林勝行『KATSUYUKISAN』をめぐって~ (text by 韻踏み夫)

      「満月の夜」、一人が家を忍び出る。深夜の「ファミマ」へ向かって。まるで、中学生が親にバレないように夜遊びに出かけるときのような仕方で。しかしこれから動き出そうとする陰謀が、夜遊びよりも歴史的で政治的で重大なことであるにしても、それがなんだというのだろうか。いや、ここでは、夜遊びにしろ、陰謀にしろ、あるいはその妄想であるにしろ、それらは同等の価値を持つ。結果引き起こされるものの規模が、たまたま違っているだけだ。 土着性。小林勝行がデビュー作から描いてきた、生々しいリアル。「覚

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      • Watsonという巨大な才能の登場について祝福しつつ覚書を残しておきたい (text by 韻踏み夫)

        せっかく始めたSCRAPTだが、さっそく二回目の更新まで空いてしまった。吉田雅史は自分の仕事にかかりっきりで山場を迎えているようで(がんばれ!)、私も私で、すでに情報公開されているが『ユリイカ』のフィメールラップ特集の原稿などに追われていた。 さて、ここ数か月ずっと、Watsonについて書かなくてはならないと思っていた。最近のWatsonは、破竹の勢いとはまさにこのこと、というような感じで快進撃を続けている。毎日のように客演曲が出ていた数日があったし、しかも毎回強烈なインパ

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        • ビートメイカーの誕生 ―Grandmaster Flash・DJ Premier・PUNPEE― (text by 吉田雅史)

          さて、肩の力を抜いて一発目の記事に向かっていきたい。SCRAPTで書いていきたいことはたくさんあるのだが、そのひとつは2022年10月に荘子it氏と韻踏み夫氏を招いて行った『ゼロから聴きたい日本のヒップホップ』@美学校の中で触れられたトピックを発展/深掘りすることだ(注1)。 その補足動画の中で「ビートメイカーの元祖とは?」という話をした。結論から言えば、グランドマスター・フラッシュが元祖というのが、私の考えだ。一般的に彼は、クール・ハークやアフリカ・バンバータと共に、ヒ

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          ヒップホップにおける上部構造/下部構造論――「ゼロから聴きたい日本のヒップホップ」をもとに (text by 韻踏み夫)

          SCRAPTにこれからどのような記事を上げていくか、それをはじめの挨拶の代わりに示すために、私と吉田雅史で一本ずつ書いてみようということになっている。そこで私は、先日2022年10月26日に、神保町の美学校にておこなった講座、吉田雅史feat.韻踏み夫、荘子it「ゼロから聴きたい日本のヒップホップ」で出た、興味深い論点を拾いつつ、考えてみたい。 ことは、トラップのビートについての話題においてだった。荘子it氏がさすがの聡明さをもってまず整理したことは、次のような、知っている

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          ヒップホップにおける上部構造/下部構造論――「ゼロから…

          SCRAPTを立ち上げます

          SCRAPT設立に寄せて by 韻踏み夫SCRAPTという名義のNOTEを、吉田雅史と共同で立ち上げることにした。一応ヒップホップ批評ユニットのようなものと思っていただいて構わないが、なにか重々しい、大したものと勘違いしてもらってもいささか困る。なぜなら、このNOTEはとにかく緩く、マイペースに継続することを目標としているからである。これも片手間に、一時間程度で書いている。そんなもんとして受け取っておいてほしいわけだ。 これを立ち上げる経緯を記しておこう。2016年にさかの

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          SCRAPTを立ち上げます