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現代不信人間論 (モノローグドラマ002)

「現代不信人間論」

■人物
少女

■本編

少女「そもそも人間なんて信じられない。少なくとも私は信じない!」

少女「え? 他人を信じられない私は可哀想? 本当にそう思いますか?」

少女「私は耐えられないんです。私の目に映る、悪口、暴言、誹謗中傷、不快の連鎖」

少女「人はどうして人のことを悪く言うの?」

少女「人はどうして人を傷つけたがるの?」

少女「人はどうして人のことを否定するの?」

少女「それが楽しいの? それが嬉しいの?」

少女「テレビは誰かの不幸を喜んでいるようにしか見えないし」

少女「ネットは人を貶めることを楽しんでいるようにしか見えないし」

少女「冷たいナイフのような言葉が次々と通り魔事件を起こしているようで、本当に嫌」

少女「みんながみんな他人を貶めることに必死に見える」

少女「みんながみんな他人を不幸にすることでしか、自分の幸福感を味わえないみたいにみえる」

少女「他人の感情を踏みにじって、自分だけが幸せになろうなんて。それで満足なんですか? 生意気なエゴイスト。それがおまえたちの正体だ」

少女「でも、それが世界の正論だと言うのなら、私はきっと世界を敵に回すだろう」

少女「だから、私は世界から心閉ざす。世界が私を拒否するように、私も世界を拒否する。それで結局平行線。傷だけが深く深くいつまでも残り続ける……信じあえない、時代の悲しみなんだ」

               (おしまい)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。