見出し画像

「心配性」(【男と女のエチュード】004)

【ワークショップ用台本】 「男と女のエチュード」シリーズ004
登場人物は男と女。 2分尺のワンシチュエーション芝居です。


「心配症」

○部屋・内
   女、行ったり来たりしている。
   スマホで電話をかける。
女「んもー」
   電話の相手は出ないようだ。
   椅子に座る女、落ち着かない。
   そこへ帰ってくる、男。
男「ただいま」
女「信じらんない……」
男「何なに?」
女「地震」
男「あったね」
女「連絡」
男「充電切れ」
女「最低」
男「最悪だったね」
女「お前がな」
男「そんな心配した?」
女「するでしょ」
男「大げさだなあ」
女「千葉県沖震度5」
男「え?」
女「念のためって思ってラインしたのに既読つかなくて。何度も電話しても、出なくて。もしかしたら、事故とかに巻き込まれたのかなって」
男「東京は震度3くらいだったろ」
女「どこで何してた?」
男「え。飲み会。言ってあったじゃん?」
女「は? のんきに飲んでたの?」
男「まあ」
女「そこでモバイルバッテリー借りろよ。誰か持ってるだろ」
男「思いつかなかった」
女「防災意識うすいんだよ!」
男「まあまあ」
女「ホント心配したんだよ!」
男「心配しすぎだよ」
女「心配しすぎなことあるか!」
男「(圧倒されて……)ゴメン」
女「これからは、モバイルバッテリー持ち歩いて」
男「重いよ」
女「つべこべ言うな。心配かけた罰。寝る」
   女、寝室へ去る。
男「……充電しよ」
   男、スマホを充電器にさす。
(終)


使用許可などのお問い合わせは下記HPより

STORY OFFICE (amebaownd.com)

今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。