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【声劇台本】018「真夏の紙飛行機」

おバカな男子とお茶目なお女子のお話です!

<配役>
たくろう(15)高校1年生。
なつき(15)高校1年生。

<舞台>
青空のきれいな、高校の校庭が舞台です。

―――本編―――
たくろうのMO「台風一過の昼下がり、校庭で空を見上げていた俺の後頭部に紙飛行機が直撃した。思わず振り返ると、校舎の二階の窓辺で君が爆笑していた」

なつき「みごと命中です!」
たくろう「なにすんだよ!」
なつき「なつきさんの的確ショットだよ!」

たくろうのMO「俺は悔しくなって、紙飛行機を拾って投げ返そうとした」

なつき「待って!」
たくろう「いやだ!」
なつき「たくろう専用の飛行機なの!」
たくろう「なんだよそれ!」
なつき「私からの贈り物!」
たくろう「意味分かんねえよ」
なつき「よく考えたら、分かるよ」
たくろう「はあ?」
なつき「よーく見てみて!」

たくろうのMO「そう言われて。紙飛行機をみた。たいして何のかわりも……ん? こ。これは、俺の答案? しかも赤点の英語、7点。なつきのヤツ……」

たくろう「俺に何か恨みでもあるんですか!?」
なつき「意味わかんないの!?」
たくろう「わかんねえよ!」
なつき「よーくみた?」
たくろう「え?」
なつき「わかんないから、たくろうはダメなんだよ」

たくろうのMO「俺はもう一度、答案を見る。最後に赤ペンで何か書いてある。『ドゥ・ユー・フォール・イン・ラブ・ウィズ・ミー?』……なんだこれ……」

たくろう「どういう意味だよ! この赤文字の英語!」
なつき「わかんないの?」
たくろう「教えろ!」
なつき「ホント、バーカッ!」

たくろうのMO「なつきは教室の奥へ引っ込んでしまった。一人取り残された俺は紙飛行機を片手にこの言葉の意味を考えた。でも、やっぱり答えはわからなかった」

―――おわり―――


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今後の執筆と制作の糧にしてまいりたいと思います。