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Vol.33 『当たり!』続きの映画鑑賞。

『せっかく映画館に行くのなら「面白い映画」ばかり見たい!』…という願望は誰にでもあると思いますが、たまたまそんな状況が起きることがありまして…
そんな事が起こった先週末の思い出話(a.k.a.レビュー詰め合わせ)です。

・2024年3月16日(金)
「デューン 砂の惑星 Prat2」

【周辺情報】
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督による、SF小説「デューン」シリーズ(著:フランク・ハーバード)の映画化作品の第二弾。
【あらすじ】
遥かなる未来。
転封したばかりの「砂の惑星 ” アラキス ” 」にて、ハルコンネン男爵と皇帝の共謀により、一族皆殺しの憂き目に遭ったアトレイデス公爵の息子 ” ポール ” 。
母と共に脱出し、砂漠の民 ” フレメン ” の集落に身を寄せ、復讐を決意する ” ポール ” だったが…

※下記予告編↓

【感想等々】
先行上映(レーザーIMAX字幕版)で鑑賞済みだったのですが、本公開の初日に通常上映の字幕版で鑑賞しました。
色々と見どころや、語りどころはあるのですが、ひとつだけ抜き出して言えば、『一作品の中に「宗教的映画の要素」と「それに対する反証」が共存している映画』の様に思います。{←こんなこと言ってるの私だけかな?(笑)}
また、『前作のPart1が誰の視点から映画が始まり、このPart2が誰の視点がラストカットなのか?』も注目すべき点だと思います。

・2024年3月17日(土)
「ゴールド・ボーイ」

【周辺情報】
原作小説は中国の作家、紫金陳による「坏小孩」 (悪童たち)。
金子修介監督による、物語の舞台を沖縄に移した日本版の映画化作品。
【あらすじ】
海辺の断崖で、突き落としによる完全犯罪をもくろむ青年。
夏休みの始まりに、写真撮影に海岸に出かけた中学生の男女3人組。
4人が接点を持った瞬間、奇妙な運命の歯車がゆっくりと回り始める…

※下記予告編↓

【感想等々】
「予想の斜め上を行く」という言い回しがありますが、まさにこの作品がそれにあたります。
ネタバレしたくないので あまり多くは語りませんが(ボロが出そうなので)、 ” マーラーの交響曲第5番の印象的な使い方 ” や、観終わった後に より深く心に刻まれる ” あるキャラクターの振り返りショット ” 等々、終始見どころが多い作品でした。
(あと、「チープで紋切り型の ” とあるキャッチコピー ” 」をつけなかった配給関係の方々に拍手!)

・2024年3月18日(日)その1
「DOGMAN ドッグマン」

【周辺情報】
「レオン」「ヴァレリアン 千の惑星の救世主」のリュック・ベッソン監督によるバイオレンスアクション
【あらすじ】
殺人事件が起きた夜、警察官に止められる一台のトラック。
運転席にいたのは血まみれの女装した男性、そして荷台には無数の犬たち。
やがて精神科医との面談に臨むドッグマンを自称する男性だったが、彼の口から出てくる述懐は、想像を絶する生い立ちだった…

※下記予告編↓

【感想等々】
色々と要素は置き換わっていますが、ものすごく雑に言えば「リュック・ベッソン版ジョーカー」的な作品。
(ちなみに、宣伝コピーで「ダークヒーロー」と謳っていますが、良い意味で ” 小さい世界観を保った作品 ” です。)
特に過去パートは、ある意味「毒親モノ」「クソ親モノ」のジャンル(←そんなジャンルあるのか?)といえる作品ですが、加害者側が「信仰による自己正当化」している一方、虐げられた側も「神への対峙・対話」を試みようとするという辺りが、なんとも苦みを帯びた味わいがありました。

・2024年3月18日(日)その2
「私ときどきレッサーパンダ」

【周辺情報】
ドミー・シー監督による、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作作品。
2022年3月11日に日米で劇場公開される予定が、コロナ渦(COVID-19パンデミック)の為に劇場公開は見送られ、配信サービスのDisney+の配信作品となっていた。
しかし、パンデミックの終息により、日本では2024年3月15日から劇場公開された。
【あらすじ】
2002年のカナダ、トロント市。
中国系の13歳の少女メイリン・"メイ"・リーは、学業や家の手伝い、そして母に内緒のアイドルへの推し活等々、活発で充実した生活を送っていた。しかし、そんなある日 目覚めると彼女の姿は巨大なレッサーパンダになっていた…

【感想等々】
観る前は「 ” レッサーパンダへの変身 ” は ” 初潮や生理のメタファー ” なのかな?」と思っていましたが、どちらかと言えば『思春期に心の中で吹き荒れる「 ” 感情や激情の嵐 ” のメタファー」』という意味合いに感じました。
そして、「誰もが楽しめるエンターテイメント作品」という事に加えて、「娘の話」であり、「母の話」の話であり、そして「元・娘の話」であるという作品の構造は ” お見事! ” の一言に尽きます。  

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まぁ…そんなこんなで、今のところ私にとって「当たり!」の映画鑑賞体験が続いていますが、そんな幸福な時間がどこまで続きますやら…??

という訳で、今週も締めの吃音短歌(注1)を…

しゃべりでは 渡れぬ言葉の 海原で 文(ふみ)という名の 舟を漕ぎだす

【注釈】

注1)吃音短歌

筆者のハンディキャップでもある、吃音{きつおん}(注2)を題材にして詠んだ短歌。
この中では『「吃音」「どもり」の単語は使用しない』という自分ルールを適用中。

注2)吃音(きつおん)

かつては「吃り(どもり)」とも呼ばれた発話障害の一種。症状としては連発、伸発、難発があり、日本国内では人口の1%程度が吃音とのこと。


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