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生きるのが辛いので、自分で書く空想的な文章の世界にひきこもります。それはこのノート上でのことだ。

ついてきたい人だけ、ついてきてください。

人に読ませるためのものでもない、小説とも詩とも呼べないような空想的な何かを書いて、その書くという行為と結果のなかにひきこもろうと思います。それはこのノート上で行われること。

かっこつけた言い方でいうと、「文学的ひきこもり」です。

(色んな事を後回しにしてしまっていますが、少し元気が出たら確認して対応していきます)


約500年前に、西欧の小国の冴えない大工が書いた詩の中の森だった。

と思ったが、これは実は僕が去年の夏に書いた詩の中の森なのかもしれない。

そこには悲しい歴史があった。多くの血が流された。しかし森の住人たちは団結して魔に立ち向かった。

魔とは自然の厳しさなのかもしれないし、神の意志なのかもしれないし、人間の悪意のカオスなのかもしれないし、単なる偶然なのかもしれない。

それが偶然だとしたら、それは金属片をシェイクして懐中時計が完成するような確率で到達したものなんだろう。

その森には清流がある。それはガンジスのように住人に暮らしの支柱であり、それでいて濁ることも枯れることもない。

それは水の流れでもあるが、同時に時の流れでもある。ゆく川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず。どの家も100年前は建っていなかった。大火事もあった。飢饉もあった。それでも土煙の匂いは実在した。

その川は空想的な川ではなく、現代日本に存在する川だ。マクドナルドが駅前にある地方都市から、バスで1時間のところにある。誰だって行こうと思えば行ける。きっと運賃すら必要ない。

そのバスにはもちろん乗客がいる。運転手もたぶんいる。名前はスクレイ・クロノスかもしれないし、佐藤明夫かもしれない。

乗客たちはひそひそと話をしている。彼らは少し日焼けした老人の集団だ。僕は乗るバスを間違えたんじゃないかと不安になる。

現実的なバスに乗ったつもりなのに、行き先は自分が子どもの時に住んでいたマンションであるような気すらしてくる。

そこにはエレベーターがあった。ペット禁止のマンションだが、猫のおしっこの匂いがするエレベーターだった。

エレベーターがあるということは、もちろん階段もある。手すりの向こうには世界の終わりのような空が広がっていた。そこで追跡者とのデッドヒートを繰り広げる予兆を感じた。

それは可能性であり、実際の出来事ではないが、ときに可能性は何よりも人を殺しうる。パンドラの箱の希望みたいなものだ。

開けてはいけない箱があると、開けてみたくなる。開けなければ幸福が約束されているとしても、それは耐え難い衝動だ。押しては返すその波に1000日耐えきれるものは少ない。

なぜなら退屈もまた人を殺しうるからだ。情熱というろうそくの灯火が消えると人は動けなくなる。聖火リレーのように、炎を自分のもとまで運んできてくれる他者が誰にでもいるわけではないのだ。

つまりもう思想なんて大仰なものは、僕が30歳になった頃に忘れてしまった。本当は資本論なんてまともに読んだことがない。最初の5ページで、これは自分には理解不能な書物であることを悟った。悟らざるを得なかった。

この書物は理解するためのものではなく、コミュニケーションツールなのだ。話題にすることによって、他者との繋がりを形成するためのものだ。僕はそれを誤解したがゆえに、あの森の中に置き去りにされてしまった。

もっとポップに考えなければならなかった。いささか深刻過ぎたのだ。地下のジャズ喫茶ではなく、スターバックスのソファー席で物事を考えるべきだったのだ。

付け加えるならば、自らのルーツに敬意を払わないものは、それによって裁かれる運命にある。個よりも血脈だ。

その血脈は、先祖という言葉よりも長い時間軸を持ったものだ。縄文人や弥生人、そして進化の過程で消えていった無数の亡き生物への畏敬だ。

あるいはゲーデルのような天才たちが取り組んだ、数学基礎論の議論の中で棄却された論理的残骸だ。

でも本当はこんな話すらどうでも良くて、真に必要なのは母ではない母の真心だ。それが叶わないならシャーマンの少女との握手だ。

さらにそれも叶わないなら、長い手紙を書きたい。非現実的で、でたらめな言葉を詰め込んだ手紙だ。だからこそそこには真実味がある。

そして手紙にはおくり先を書かなければならない。でも手元の住所録はもう過去の遺物になっていて、紙が茶色く褪せているんだ。もう断絶されているんだ。二度とはあの頃には戻れないんだ。


(つづく?)

頂いたサポートは無駄遣いします。 修学旅行先で買って、以後ほこりをかぶっている木刀くらいのものに使いたい。でもその木刀を3年くらい経ってから夜の公園で素振りしてみたい。そしたらまた詩が生まれそうだ。 ツイッター → https://twitter.com/sdw_konoha