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教育ママは娯楽を禁止し軟禁して勉強させた。息子はニートになった。

自称教育ママは勉強を強制し子どもの生きがいを奪った

先日、女子プロレスラーであるジャガー横田さんの長男の中学受験に密着した番組をリアルタイムで見た。私も、彼の志望校には逆立ちしてもかなわないほど偏差値は低いが地元の中学受験を経験したため、子供時代を思い出して胃に穴があきそうだった。

私の母親は自称教育ママだった。自分は偏差値の低い地元の底辺高校を卒業後、OLとして働いたのち寿退社して専業主婦をしているくせに、その遺伝子がもとになった息子は東京の一流大学を出て東証一部企業に入社しバリバリ出世すると信じて疑わなかった。期待が重すぎるし、その将来設計は非現実すぎてもはや妄想である。

母親は勉強が苦手だ。だから勉強を教える事なんてできないし、勉強をする習慣の身につけ方や効率的な勉強方法もわからない。唯一出来たのは全ての娯楽を禁止して「進研ゼミを契約して子ども部屋に軟禁」することと「そろばんの問題集を毎日解くこと」と「セサミストリートをリアルタイムで視聴」を息子に強制ことだ。そして子役やアスリートと比較して罵倒した。

御子息を志望校に入学させるために中学受験へ向かって三人四脚で尽力されている親御さんがこのエントリーを読んだ場合、呆れて言葉が出ないことだろう。これは田舎の低偏差値高校出身の女が哀れな脳みそで精一杯考えた教育なのだ。どうか温かい目で見てほしい。

進研ゼミを契約して子ども部屋に軟禁

母親が底辺高校出身なので、当然勉強は教えられない。しかし、教育にお金をかける(塾に通わせるなど)重要性がわからないしもったいないので、とりあえず進研ゼミを契約して放置したのだ。

「勉強は長くやればやるほどできるようになる」という持論のもと、息子を365日間子ども部屋に軟禁して登校・食事・風呂・歯磨き・着替え・就寝・トイレ以外は宿題や進研ゼミの問題を解き続けるように命令。例え全て終わっても、エンドレスでドリルのごとく解かせ続ける。

そしてテストで100点が取れなければ怒鳴る。(ヒステリーもちなので)気に入らないことがあれば軟禁が監禁にレベルアップする。

そろばんの問題集を毎日解くこと

母親はバカなので「そろばんをやると頭が良くなる」と本気で信じていた。しかし、そろばん教室に通わせるお金はもったいないので、市販の問題集と安物のそろばんを買ってきた。

宿題や進研ゼミの問題を解くのと並行して、毎日問題集を解かされた。いじめが酷くなり精神が病んでいても、体調が悪くても、絶対に解き続けさせられた。

セサミストリートをリアルタイムで視聴

「セサミストリートを子どもに見せると英語を聞く力と話す力が身につく」とママ友から聞いたらしい。

母親はその日からリアルタイムで全話視聴するように命令した。セサミストリート(当時、NHK教育テレビで放送)の時間帯だけはテレビの前に正座させられて、番組が終わるまで画面から目をそらしてはいけない。

母親が家事をしながら監視しているので「この黄色い鳥(ビッグバード)や青いけもくじゃらの生き物(クッキーモンスター)、何を言っているかマジでわからん。早く終われよ……」と泣きながら時が過ぎるのを祈っていた記憶がある。

子役やアスリートと比較して罵倒する

この一文を読むだけでは「?」と思うだろう。

具体的な例を出すと、2歳でモデルデビューし子役として活躍された安達祐実さん。そして女子卓球の福原愛選手。

私がテストで100点を取れなかったり勉強が辛すぎて泣いたときは「祐実ちゃんだって2歳から活躍しているのに、○歳のお前はこの程度の問題も解けないの?」「卓球の才能がある愛ちゃんだって泣きながら頑張ったから今があるんだぞ。お前も泣いている暇があったら1秒でも早く勉強しに部屋に戻れ!」などと子役やアスリートと比較して罵倒された。

自称教育ママは受験対策に頭が回らない低偏差値

ここまでの説明でわかると思うが、受験する中学校の試験対策や面接対策を全く行っていないのである。

実際、試験問題の解答や面接はアドリブで対応した記憶がうっすらある。もちろん不合格。残念だが当然の結果だ。

灰色の幼少期を経て無気力ニートになった

高嶋ちさ子さんがゲーム機をブチ壊して炎上したが、我が家には漫画もゲームもない。居間にあるテレビは登校前と就寝前にめざましテレビとニュースステーション(現:報道ステーション)をチラ見することしか許されず、学校でアニメやスーパー戦隊シリーズの話題についていけなかった(それがいじめの加速につながった)。

あなたは「そんな母親、いるわけないだろ」と思うだろう。残念ながら実在する。「自分の考えは絶対的に正しい」「自分は本当は天才だ。勉強はしていないが本気でやろうと思えばできる子だ。」と信じて疑わない性格と、勉強が苦手で底辺の生活に甘んじた自分の人生の雪辱を子どもに託すことで自尊心を取り戻したいという思いが彼女を暴走させたのだろう。

幼少期の私は、何を生きがいにしていたのか。今となっては不思議でならないが、記憶がかすれているし思い出そうとすると頭痛がするので、きっと地獄のような1日1日が過ぎ去っていくのを祈りながら生きていたのだろう。

このエントリーを書いていて、憎しみがぶり返してきた。子どもの時に味わった毒親の虐待の傷は決して癒えることはないし、老後の世話のために今さら掌返ししてすり寄ってきても絶対に許さない

私には幸い貯金があるので一人暮らしをしながらニート生活を送っている。人様に誇れる生き方ではないが、親の操り人形でしかなかった幼少期より数倍マシだ。思い通りにならないからと母親が罵りに来たときは、金属でできた棒状の物を手にして物理的に自由を勝ち取りに行く所存である。

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