メルヴェイユ

“その向こう側、覗いてみたい” ー ただの観察人、眺めるもお務めであります。

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マガジン

  • あわとむし

    植物性の素材で作る洗浄料やボディケアのレシピ備忘録。

最近の記事

[附録]和精油

ずっと先延ばしにしてきたこと。和精油について。 まずは虫よけから入ろかな。 *精油入門はコチラ ∥和精油◆ 楠 - クスノキ ケトン50%超えのクスノキ原油。 そこからさらに3種類 (赤・藍・白) に分留するそうで、「人に仏顔・虫に般若面」なのは白、カンファーホワイトとも呼ばれる。 $$ \begin{array}{l:r:l}カンファーホワイト精油& \%&忌避対象\\\hline\hline \textbf{1.8シネオール}&\textbf{35}&蚊・ダニ・

    • あわとむしを結ぶ

      これまで掲載した分で暮らしは回るため、『あわとむし』も完結します。 〜 * 〜 もうお分かりかと思いますが、どのレシピもホドホドを佳しとするものばかり。 日々それを繰り返しながら、トータルで水準維持しようという目論見にあります。 たとえ片寄りにすぎないとしても、ホドホド・ホソボソこそが尊くて… そして、この企画にはちょっとしたカラクリも潜んでいました。 “あわ vs むし” という、もう一つの構図。 泡の素である脂肪酸も、実はダニの好物だったのです。 これには精油による

      • 保湿クリーム『ブールュイル』

        つむじから爪先まで全身使いのクリーム。 ∥油脂選びのポイント① 皮脂を参考に コスト0・備え付けの天然クリームである皮脂に倣えというアプローチ。 これまた一筋縄にまとめられない世界、かいつまむと脂肪酸 (特にパルミトレイン、オレイン) やワックスエステルがカギっぽい… ② 酸化しにくい 酸化した脂は肌老化を招く。 もともと酸化しやすいリノール酸や、紫外線を受けて過酸化しがちなスクワレンは補給不要とした。 ③ グレード 食用油脂だと皮膚にとってはむしろ不純物まじりという

        • UV虫よけオイル『日ざしにむしに』

          日焼け止めと虫よけをひと塗りで。 材料 (∮印) をよくなじませながら合わせていく。 ∮ケルセチンキ:10ml玉ねぎの外皮に含まれるケルセチンには、SPF50に迫るUV吸収効果が確認されている。 チンキ (アルコール漬込み) 方式による高率抽出からのケルセチンキ。 ◆玉ねぎ皮粉末:2g 市販のティーバッグ入り (皮粉末100%・無添加) で楽にいける。 自作するなら、玉ねぎの皮を丸一日ほど天日干しでケルセチン増幅させてから砕き、不織布のお茶パックに入れる。ヌクモリティ…

        [附録]和精油

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        • あわとむし
          14本

        記事

          歯みがきペースト『テシヲ』

          飲み込んでも安心の食仕様。 ∥材料【およそ50g】 ◆粉茶:小さじ1.5 清掃、pH調整(口内の酸化抑制) 虫歯抑制にカテキン豊富な緑茶。 わずかでもフッ素が欲しければ抹茶入り。 口臭対策には、なた豆やモリンガもよさげ。 ◆塩:小さじ1.5 防腐、歯茎の引き締め。 精製・天然は問わないけれど、粒の小さいサラサラした塩だと口当たりよし。 ◆おからパウダー:大さじ2 香味・色味の調整。 お茶の苦みとドス緑の発色を抑え、酸を作りにくい低糖質。 ◆食用オイル:大さじ1

          歯みがきペースト『テシヲ』

          手作りなるもの

          日々営むこれも、いわゆる「手作りコスメ」に入るんだろうな。 いつも心に留め置くことをまとめてみた。 ∥常備素材むやみに揃えて飼い殺しにしてもと転用・兼用を心がけたら、自然と“持たず”へ傾いた。 食材兼用を除いて、常備するのはこのくらい。 次回より、スポット調達の素材を使ったレシピも掲載していきます。 ∥器具分量もキッカリまでは求めてなくて、250mlや300gまでの小型計器で使い回す。 『ムシェッド』にいたっては、ピペットに目盛がついて手軽に。 常に作り続けるには、毎度

          手作りなるもの

          柔軟剤『スグリ』

          お酢とグリセリンで柔らかく。 ∥材料 (1回分/45L水量)よく合わせるだけ。(精油を入れる場合、先にグリセリンと合わせておく。) 容器は、耐酸性のものかガラス製。 ◆酢:大さじ2 洗剤によるアルカリ作用を中和する。 お酢の色や匂いは残らないため無糖の穀物酢でいけるし、無色にこだわるればホワイトビネガー。 ◆グリセリン:大さじ2 洗濯物を柔らかに仕上げる。 市販の柔軟剤みたいにふ〜っくらとまではいかないけど、繊維本来の吸水力を塞いでしまうこともない。 ◇ [任意]

          柔軟剤『スグリ』

          ココナツ洗剤

          洗濯や掃除に食器洗いなど幅広く使えるココナツ洗剤。 リニューアルを機にイチから見直した話。 ∥製品表示ラベル情報はなかなかに大事。 100%植物由来でも、最終形態は合成洗剤。ココナッツ→ココナツということだろうか。 成分表示には製品の個性が…記載されているのは界面活性剤15%分だけとしても。 自然由来の洗剤ではよく見る組み合わせ。 脂肪酸アルカノールアミド ├ 非イオン性 └ 増粘、増泡 アルキルエーテル硫酸エステルNa ├ 陰イオン性 └ 洗

          マルチ洗浄料『ココリ』

          多目的洗剤に泡ヂカラと忌虫効果をプラスして、真正マルチパーパスへ。 ∥材料【500ml分】すべての材料を混ぜ合わせるだけ。 タイトル画像のような丸底の容器にすると、ポンプするたび再攪拌されて分離しにくいような… ◆米油:5ml 『ココリ』の“リ” (仏:riz) 。 デフォルトは全体の1%濃度。 身体洗いに使うかは個人の判断になるけれど、使う場合はキャスターオイルなどを2.5ml (0.5%) 加えれば、泡持ちと保湿効果がつく。 ◆ ムシェッド:2.5mlまで キ

          マルチ洗浄料『ココリ』

          布の虫よけ『ファブリー...』

          寝室、クローゼット...布あるところに棲みつく虫たちに退散いただくシステム2つ。 ∥ファブリックスプレー手持ちの除菌アルコールでも、濃度さえわかれば作ることはできる。 ①精油を除菌アルコールに溶かし、②精製水を加える。 耐アルコールのスプレー容器に入れ、使用前によく振ること。 無水エタノールから作るのに比べ、除菌アルコールは精油と分離しやすいので。 ∥メントールサシェメントールクリスタル(ハッカ脳)で作る置き型の防虫剤。 不織布のお茶パックやオーガンジーなど、通気性の

          布の虫よけ『ファブリー...』

          虫よけ精油『ムシェッド』

          刺す虫・咬む虫、ばっちぃ虫をはじくブレンド精油。 ∥精油選びのポイント① 忌避成分が濃い 虫よけ成分は多々あれど、広く見かけ、十分な量を確保しやすいのはこのあたり。 $$ \begin{array}{l:l}\textbf{シトロネラール}&蚊・ダニ・ハエ・蜂\\ \textbf{1.8シネオール}&蚊・ダニ・ハエ・ゴキ・ノミ・[衣]・[食]\\ \textbf{αピネン}&蚊・ハエ・[食]\\ \textbf{リモネン}&蚊・ダニ・ハエ・ゴキ・[食]\\ \

          虫よけ精油『ムシェッド』

          精油のキホン

          こんな小さな瓶入りと侮るなかれ。 植物の持つ力がぎゅッと濃縮され、脳の中枢まで届いて効果を発揮するというメカニズム。 「アロマオイル」だと合成香料が混ざるのもあるので、天然100%の「精油」または「エッセンシャルオイル」で探す。 お墨付のお店なら、ひとまず確実かな。 ∥精油の種類丸投げだけど、こちらのサイトがとてもよくまとまっている。 ∥禁忌事項 ⚠️濃縮だけに、体質・体調やライフステージに応じた禁忌事項も軽く見てはいけない。 ペットなどがいる環境では、種族ごとに可・

          精油のキホン

          起泡のキホン

          植物由来の洗剤 (非石油系・石鹸フリー) の奥ゆかしすぎる泡立ち。 その解決に一役買うのがアブラだなんて、ダークホースもいいところだった。 ∥そもそも泡とは洗浄の主戦力というより、汚れを浮かせ、洗剤のムダ使いを抑える補助効果が大きい。 なにより、むくむく起きてくる泡がもたらす本能レベルの至福ときたら… 不可欠じゃないけど、不必要ではない。 そんな狭間のスタンスで、植物由来の泡を究めていく次第であります。 ∥泡の素は脂肪酸泡のカギは油脂に含まれる脂肪酸にある。 $$ \

          あわとむしの手作り

          ここへ手作りの記録を置くこととします。 植物性の素材を使って洗浄料やボディケアものを作るうち、ふと気づけば「あわ」と 「むし」がコンセプトになっていました。 〜 * 〜 わが家では『ココナツ』という多用途洗剤であらゆる洗浄をまかなうのですが、控えめな泡ゆえに消費が速すぎて困りものでした。 然るのち、植物油脂のついた器具を洗うと泡立ちが大きくなるのに気づき、カギは脂肪酸にあることを知り… あわに目覚めた時。 むしとは、“人行くとこ必ずあり”の刺す虫・咬む虫、ばっちぃ虫

          あわとむしの手作り