釣ってもらうか、自分で釣るか
魚が釣れず困っている人がいる。
あなたはその人に、
【自分が釣った魚をあげる】と【魚の釣り方を教えてあげる】のはどちらが親切だと思うでしょうか?
知っている人は【釣り方を教える】と迷わずに答えるでしょうか。
これは、中国語では『授人以魚 不如授人以漁』、
英語では『Give a man a fish, and you feed him for a day. Teach a man to fish, and you feed him for a lifetime.』と世界中に広まっている超有名な格言で、
「魚を与えるのではなく釣り方を教えよ」
という意味で使われています。
医者は魚を与える
ではみなさんは、自分が体調を崩して医者にかかった時、
飼っているペットが具合が悪くて動物病院を受診した時に、
《どうしたら健康になれるか》を教えてもらっていますか?
「薬を出しますので、飲んでしっかり休んでください。」とか
「注射しますね。明日また診せてください。」と言われ、そのまま会計して帰った経験のある方は少なくないのではないでしょうか?
これは【魚を釣ってもらう】スタイルですね。
魚(=薬)をもらって一時的にお腹を満たして(=症状を和らげて)いるということです。
釣り方を教えない医者や獣医がダメと言うのではありませんよ。
丁寧なインフォームドコンセント(患者への説明と同意)を行っている医者や獣医はいますし、そうでなくても現実に、処方された薬で治まるケースは多いです。
でも健康になる方法を教わっていないので、また調子を崩して受診することを繰り返します。
いつまでも自分で魚を釣れるようにはなれないのです。
医者や獣医のカモにされている?
いやいやそうではないようです。
医者は病気を治すプロかもしれないが、健康にするプロではない
たまたま手に取った本(確か和田秀樹氏の本)をパラパラめくって目に留まった一文です。
「確かにそうかも。」
獣医師である私も、病気を治すことを生業としている自負はあるけど、
『あなたの愛犬愛猫を健康にしますよ』とまで謳う勇気はありません。
そもそも、健康である=病気がないではないのです。
“すべてが満たされた状態”とは、もはや《健康=幸福》と言って過言ではないかもしれない。
健康は"本人がそう感じているかどうか"の主観的なもので、他人が決めたり干渉できるものではないようです。
医者は○○漁師
そう。私たちは魚の釣り方(=健康になる方法)を教えられない。
厳密に言うと、
『どの魚を釣りたいのか分からないので教えようがない』のです。
釣れる魚をあげる(=治せる病気を治す)ことしかできないのです。
(正確には治るためのサポートあるいは症状を抑えているに過ぎないのですがそれはまた別の話で。。)
だったら「その魚の釣り方でいいから教えてくれよ~」と思われるかもしれないけど、実はそれも難しい。
それは医療者も《その魚》を釣れるまでに数十年の鍛錬を要しているから。
例えるなら、私たちは《マグロ漁師》なのかもしれない。
口頭で教えてすぐに出来るようになる代物ではないのです。
「がんばって釣ってきたから、好きな人は食べてくださいね!」
十分に親切だと思いませんか?
私は"渓流釣り師"に鞍替え中
さて私はというと、マグロ漁船を降りて川を登ろうとしています。
限られた人間だけが向かう過酷な遠洋漁業〈手術や薬〉の世界から、
その気があれば敷居は低く、ハマれば楽しい渓流釣り〈栄養〉の世界へ。
(ちなみに私自身は渓流釣りはおろか海釣りもほぼ経験なしです…(-_-;))
というのはやはり、釣り方を教えたいから。
私は自分自身が栄養を勉強しながら実践することで、健康を感じられるようになりました。
朝寝覚めがよい。空腹感がつらくない。些細なことにイライラしない。他人を羨んで嫉妬しない。理想はあるが現状も悪くはないと思える。
一朝一夕でそうなるものではないので、”上手に釣れるようになる”のに根気は必要ですが、マグロ漁よりは、、ね。
私のnoteでは、自分自身や動物病院での診療で経験した栄養療法について発信していくつもりです。(※薬も必要に応じて使っています)
渓流釣り(=栄養)を知りたい、理想の魚(=健康・幸せ)を釣りたい方は
ぜひフォローしてみてください。
ではではよろしくお願いします(^^ゞ
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